2016年09月28日

労働者は終身雇用と平等社会を志向している

戸塚章介さんのブログ「明日へのうた」より転載
http://blogs.yahoo.co.jp/shosuke765
労働運動は社会の米・野菜・肉だ。
2016年09月28日
労働者は終身雇用と平等社会を志向している

■戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)


 「労働政策研究・研修機構」(JILPT)という独立行政法人がある。理事長が元中労委会長の菅野和夫さんである。菅野さんとは都労委で、公益委員と労働者委員という間柄で10年ほど一緒に仕事をした。深夜までねばって和解を成立させたこともあるし、石播事件では二つの救済命令を出してもらった。

 そのJILPTが9月23日、2015年に行われた「第7回勤労生活に関する調査」の結果を発表した。副題に「スペシャル・トピック「『全員参加型社会』に関する意識」とある。調査目的=@勤労者の生活実態の把握、A日本型雇用形態などに関する意識、B生活満足度や社会のあるべき姿等への見方。

 調査の第1項は日本型雇用形態の特長の一つである「終身雇用」についてである。「終身雇用」の支持率は87.9%で99年の第1回調査時の72.3%を5ポイント余上回っている。中でも20歳代は99年時の67.0%が今回は87.3%だから20ポイントの上昇である。何を意味するかは明白だろう。

 次は「年功賃金」支持率だが、99年時の60.8%が76.3%へ、実に16ポイントもの支持率増である。20歳代で見ると56.2%が72.6%、30歳代も56.8%が72.8%と若者も年功賃金志向へと傾いている。安倍政権が吹聴する「成果型賃金」は支持されていないということだ。

 そのことがさらに顕著になるのは次の調査結果である。「日本が目指すべき社会」とは何か。@貧富の差の少ない平等社会、A意欲や能力に応じ自由に競争できる社会、このどちらを選ぶか。99年時では40.9対32.5でA、以後04年(42.3対30.6)まではAが多かったが、07年調査でそれが@43.2%、A31.1%と逆転する。今回調査では38.1対33.7と差は縮まったが傾向は続いている。

 26日に開会された第192臨時国会で安倍首相は「働らき方改革」を政策の目玉として推し進めようとしている。その基本理念は「成果追求型の自由競争社会」である。賃金は労働時間とか労働密度を物差しに決められるのではなく、あくまでも「労働の成果」が重んじられなければならない、というわけだ。

 そんな国の方針が強調される中で、今回の準政府機関・JILPTの「勤労者の意識調査」は明らかに反する。行革の的にされて菅野さんもろとも抹殺されないかと心配だ。それにしても新聞はじめ各メディアは何故こんな重要な調査結果を無視するのだろう。
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2016年09月27日

海外旅行・タイ(2000年)

戸塚章介さんのブログ「明日へのうた」より転載
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労働運動は社会の米・野菜・肉だ。
2016年09月27日
海外旅行・タイ(2000年)

■戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)


 その頃日本旅行社に勤めていた二女の桃子の企画・案内でタイのバンコクとサムイ島に行った。メンバーはおれたち夫婦と正子、桃子の家族4人。8月19日から25日まで、機中泊含めての6泊7日。19日の18:30に成田を発って22:45(現地時間)にバンコク着。宿舎のエメラルドホテルへ。

 翌日は朝から暁の寺院、エメラルド寺院などお寺中心の市内見学。午後、4人揃ってタイ式マッサージへ。1時間たっぷり揉まれてあれでいくらだったんだろう。夕食は桃子が調べた日本人に人気のある有名レストラン「レモングラス」。ビールだけでよしとけばいいのに、いい気になってワインを頼んだら目の玉が飛び出るほど高かった。夜のバンコクは渋谷と北千住をごちゃまぜにした感じ。治安はいい。

 21日14:40バンコク発のプロペラ機でサムイ島を目指す。サムイ島はタイ半島の東側で、西側のブーケットほど有名でないが西欧人に好まれるリゾート地だ(そう言えば4年後の04年12月、プーケット島はスマトラ沖地震の大津波で壊滅的打撃を受けたんだよな)。16:00、定刻にプロペラ機がよろよろという感じで着陸に成功すると同乗のアメリカの青年たちが盛大な拍手をした。おれたちもつられて手を叩いた。

 サムイ島のコテージ風のリゾートホテルに3泊したが、正直言って退屈した。ホテルのプールはビキニの西洋人が占領していておれなんか場違いの感じ。女房と正子は市内に繰り出してせっせと買い物、桃子はスキューバダイビングと忙しい。おれはひねくれて昼寝ばかりしていた。楽しみはディナーのビールとワインだけ。

 23日、サムイ島最後の夜はホテルの屋外レストランでスペシャルディナー。タイの民族舞踊を鑑賞しながらの食事。踊り子の手の動きがしなやかで色っぽい。写真をぱちぱち撮る。いつも旅行に持って歩くテープレコーダーを忘れてきたのが惜しい。女房も2人の娘も雰囲気に満足したみたいだ。

 24日は12:00にホテルをチェックアウト。市内で昼飯を食べ、夕方サムイ空港へ。17:50発のプロペラ機で19:10にバンコクに着き、そこで3時間ほど時間を潰して22:30、成田に向けて飛び立つ。その夜は機中泊で、成田着は25日06:20。よく眠れたので気分がいい。

 娘たちとの家族4人の旅行は気が楽ではあるが退屈する。友人たちとの旅のように、酒を飲んで夜遅くまで議論するというようなことがないからだと思う。ま、その方が健康にはいいかも知れないけどね。

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2016年09月25日

閑話休題(32)

戸塚章介さんのブログ「明日へのうた」より転載
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2016年09月25日
閑話休題(32)

■戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)


 秋の長雨はまことに鬱陶しい。春分の日の22日、横浜の娘のところへ1泊して孫たちとプロ野球(横浜球場のDeNA対ヤクルト戦)を観に行く予定だったのに雨で中止。小学3年と3歳の孫はいたずら盛り。家の中で大騒ぎするのにつき合ったら足腰がぎしぎし悲鳴をあげた。嬉しい悲鳴だけどね。

 昨日のロッテ対オリックス戦。雨で午後2時の開始時間が42分遅れた。小雨の中を無理やりプレーボール。ロッテのエース石川が崩れて、8回までで3対1。もう勝ち目がないので大相撲にチャンネルを切り替えた。ちょうど豪栄道対玉鷲戦の仕切り中。この対戦で豪栄道が勝てば秋場所の優勝だ。

 勝負は豪栄道の寄りきりであっけなく決まる。優勝インタビューで初優勝の豪栄道が涙するのを見てから、あまり期待もせずにチャンネルをプロ野球専用チャンネルに戻す。9回裏ロッテの最後の攻撃。一死一塁で打者は8番の中村。「ああこりゃダメだ」とおれはため息。中村は打率1割台で不振中だ。

 ところがびっくり。ファールでさんざん粘った末、オリックス抑えのエース平野の12球目を見事にレフトオ―バ―のホームラン。これで同点。あとはロッテペースで、10回裏サヨナラ勝ち。雨模様を吹き飛ばす快挙だ。ロッテの快勝で雨雲が吹き飛ばされたせいか、今日は久しぶりのお天道様。清々しい。

 これでロッテは2年続けてクライマックスシリーズ出場決定だ。去年は2位の日本ハムにあっさり敗退したが、2010年は3位からのし上がってついに日本一になった。下剋上とも言われた。今年はどうかな。

 8月の末頃から左の肩に痛みが生じてずっと続いている。畳の上で左肩を下にして昼寝していて体重がかかり骨か筋肉がどうにかなったのではないか、というのがおれの診断だ。高血圧の定期検診の折、主治医の三浦先生に訴えたのだが「50肩でしょう」と軽く言うだけ。「えっ、もうすぐ80だよ」と抗弁したが塗り薬の処方箋を書いただけ。それが全然効かずにますます酷くなり、夜も痛さで目が醒める。

 春先あんなに花を咲かせ青い可愛い実が鈴なりだった我家の柿が、夏中落果し続けていまや十数個になってしまった。今朝もほんのり色づいた柿の実が庭に落ちていた。数年前までは食いきれないほど収穫できたのに一体とうしたのだろう。毎年植木屋さんに枝落とししてもらっているのに。肥料のせいなのかな。老木になったからかな。そういえばこの家も築46年になる。おれは来年80歳だ。
 
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海外旅行・イタリア北部(1999年)D

戸塚章介さんのブログ「明日へのうた」より転載
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労働運動は社会の米・野菜・肉だ。
2016年09月243日
海外旅行・イタリア北部(1999年)D

■戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)


 「はいそれでは横田さん」。横田「素晴らしい旅でした。まだローマの3日間が残っています。よろしく」。「真面目な感想ですね。次はビバ・スガノ」。菅野「トリュージャナカダビバジャポーネ。それでですねおいしいのはヴィノロッソ、ビアンコ。みんな元気よ」。ここで際限なく続く馬鹿話に愛想を尽かした女性陣が退散。

 「これから徹夜で飲みましょう!ウソです」。小倉「以上皆さんのカンソーネでした」。「それでは満天の星とお月さまを相手にロッソロッソ飲みましょう」・・・「深夜の街を探険してきた萩原さんが戻ってきました。どんな冒険があったのですか」。萩原「もう道が全然分からなくて、露店の花屋で道を訊いてやっと帰ってきました。なにしろ歩きっぱなし」。「それじゃイロケも何もないじゃない」。

 萩原「ホテルのフロントで部屋番号言ったらカギがない。11階まで上ったがドアが開かない。またフロントまで降りて『マイフレンドノ―』と言ったら10階のバ―にいるという。初めからそう言えばいいのに」。「うまいね、このロッソ。渋さが何とも言えない」。――この深夜の宴会は楽しかった。しかし参加者8人のうち佐藤、小倉、菅野、横田の4人がその後10年を経ずして幽界へ旅立つ。無常だね。

 21日午前はヴァチカン見学。ミケランジェロの壮大な天井画が凄い。サンピエトロ寺院、コロッセオ、カラカラ浴場、真実の口などを巡ったが途中で激しい雨。それでもコロッセオに入場してスパルタカス時代の往時を偲んだ。真実の口に右手を入れて「ギャー」と叫んだのだが皆にはあまり受けなかった。

 「10月22日金曜日。ローマ最後の日です。スペイン広場の階段を上ってきました。上から見下ろすとローマの街が広がっています。今日でイタリア旅行も終わりです。のんびりと12日間、意義のある旅行でした。やはりヴェネチアが一番よかったかな。あそこの風景は格別だからね。フィレンツェは美術館ぐるぐる見て回って、それなりに勉強にはなったけれども、ちょっと疲れたな」。

 23日朝ローマからミラノへ飛び、乗り継いで成田へは24日8:55に着いた。おれはこの旅行で会計担当を務めた。皆から3万円ずつ集めてレストランの支払いや、美術館の入場料などに充てた。この会計業務が結構大変で、ホテルのロビーや空港待合室などで電卓をたたいた。おれはその後海外ツアーを企画したが、このイタリア旅行の経験と苦労が活かされていると思っている。
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2016年09月23日

海外旅行・イタリア北部(1999年)C

戸塚章介さんのブログ「明日へのうた」より転載
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労働運動は社会の米・野菜・肉だ。
2016年09月23日
海外旅行・イタリア北部(1999年)C

■戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)


 フィレンツェ最後の19日は市内観光とウフィッツイ美術館。ウフィッツイは予約が必要。前日一晴さんと予約窓口に並んだのだが夕方5時からしか取れなかった。鑑賞時間が制限されるが仕方がない。早めに美術館のあるアルノ河の畔に行き、ガイドブックにそれぞれ見たい絵のある部屋番号を記入した。

 ここも大半が宗教画で、おれが見たいと思った現代画コーナーは修復工事とかで閉鎖中。がっかり。早足で展示フロアを巡り疲れたので出口のベンチで皆が出てくるのを待った。女房も含めおれ以外は至極満足そう。文化的素養の違いなのかな。美術館を出る。アルノ河にポートが一隻金色の夕陽を浴びていた。

 夕食は一晴さんと鴨川さんが苦労して探したという市内のレストランへ。皆それなりに正装してかしこまっている。おいしい料理とワインで満腹したがそれでも1人5000円ほど。日本で食うより安い。隣の席の紳士淑女と仲良くなり一晴さんがフランス語で会話。どうやらロシアのマフィアだったらしい。

 20日は移動日。フィレンツェを朝早く発ってピエンツアー、アッシジに寄って夕方ローマ。アッシジは数年前に大地震に遭い教会をはじめ多くの建物が損壊した。いまその修復途中。市内見物の最中に大粒の雨に見舞われる。ローマの市内に入ると極端な渋滞でバスが一寸刻みでしか進まない。往生した。

 夕食はホテル近くで韓国料理。久しぶりのアジアの食べ物と飲み物にすっかりご満悦。夜の街をおっかなびっくり散歩した後、11時頃からホテル10階の庶民的なテラスバーでわいわいと飲む。

 「夜の11時、ホテルのテラスバ―。カンパーイ。それではイタリア9日目の感想を皆さんで述べてもらいます。まずは大井さんから」。大井「9日目の感想?大変おいしかったね韓国料理が。なんでローマで韓国料理に感激しなけりゃいけないか、分からねえけど。すべてよかったね。風邪も治ったし」。

 「それでは小倉さんの感想を」。小倉「ビバローマ」。「それでは鴨川さん」。鴨川「今日はあったかいワインを飲みたくて、ホットと言ったらちゃんと出してくれたね」。「そのあったかいワインは何と言ったっけ」。佐藤「ヴィノ・ロッソ・カルド」。「カルドのつくり方がいいよね。変な所にグラスを突っ込むとジャーと出てくる」。大井「変なとこじゃねえよ」。佐藤「蒸気の間の管を通らせて温める装置です」。
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2016年09月20日

11486 友人の解雇E止――評議員会に理事解任の権限なしU

水久保文明さんのブログ「ヘボやんの独り言」より転載
http://96k.blog98.fc2.com/
16年09月20日
11486 友人の解雇E止――評議員会に理事解任の権限なしU

■水久保文明(JCJ会員 千代田区労協事務局長 元毎日新聞労組書記)


 A法人の定款にもどろう。第7条1項は「理事は、評議員会において選任し、理事長が委嘱する」と定めている。つまり評議員会は理事を『選んで』『任命する』ことが一つの仕事である。ところが、他のどの条文を読んでも理事の「解任」や「罷免」について、評議員会の権限はないし、定款にはその規定が存在しない。

 かろうじてそれに触れると思われるのは、同定款17条の評議員会の審議事項のなかに「その他、この法人の業務に関する重要事項で、理事会において必要と認めるとき」という規定があることだ。しかしこれは業務に関するもので、どう拡大解釈しても理事の解任や罷免を行えるとは読めない。

 ところが、6月25日に理事会と並行して開かれた評議員会で緊急動議≠ニしてBさんの解任が提案されたのである。これは不可解である。解任や罷免の権限のない人が、解任提案の緊急動議を出したのである。

 これをたとえるなら(最近はクレジットカードでOKだが)、お金のない人が買い物をするようなものだし、選挙権のない人が、選挙に行くようなものである。

 これを強行した人たちは言うだろう。「選任できるのだから、解任もできる」と。これは暴論である。すでに触れたが施設長の解任は理事会(長)に権限がある。施設長は「理事長が任免する」と規定している。「任免」とは「任命と罷免」ができることを規定しているからだ。

 もし評議員会に解任や罷免の権限があるとすれば、定款に施設長の規定同様に「評議員会が理事を任免する」と規定するはずだ。そうなっていないのは、社会福祉法の精神から前述したように「理事会のフリーハンド」を保障しているのである。が、すべてがフリーかというとそうでもない。一方で定款は「業務に関する重要事項」については、議論の対象と定めているからだ。

 以上みてきたように、@本人不在の入院中の議決は社会的・道義的に許されないA定款の議決規定からも施設長の解任は不成立B理事(長)の解任も評議員会にはその権限がなく、無効――である。

 今どき、こういう理不尽は珍しい。強行した理由をA法人はいろいろ言うかもしれない。理由があったのであれば、それは話し合いで決する事柄だ。社会福祉法は議決のハードルを高くしているが、それは法の精神からみて当然のことである。

 9月18日に、地元市民を中心にこの事件の真相を求める「対策会議」が発足した。私も50年を超えるつきあいのあるBさんの友人の一人として、その会員に名前を連ねたが、相手が誰であろうとも理不尽を看過するわけにはいかない。(この項、終わり)

★脈絡のないきょうの一行
納付率が60%程度に低迷している国民年金。強制納付を強めるというが、どこかヘンだぞ。
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2016年09月19日

11485 友人の解雇D――評議員会に理事解任の権限なしT

水久保文明さんのブログ「ヘボやんの独り言」より転載
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16年09月19日
11485 友人の解雇D――評議員会に理事解任の権限なしT

■水久保文明(JCJ会員 千代田区労協事務局長 元毎日新聞労組書記)


 事件が起きて、私がBさんに最初に要求したのはA法人の「定款」を見せて欲しい、ということだった。それを読んでみて疑問に思ったのは、評議員が理事を選ぶという規定はある。が、その評議員を誰が選ぶのかという規定がなかったことだ。(※注・社会福祉法人は、法律で評議員会と理事会を設置することが義務づけられている)

 評議員は誰が選ぶのかをBさんに問い合わせたが、行政もその問題に疑義をはさむことなく、ゆるやかに「あなたにお願いしたい」という形でその法人内で人選が進められたという。株式会社ではないから株を持っている人が選ばれるわけでもない。ていたらくに言えば身近な適当な人にやってもらう≠ニいうことになろう。だとしたらこれでは、あまりにも緩やかすぎる。

 そこで、もしやと思い社会福祉法を初めて紐解いてみた。正解だった。それを読みながら私は、自分の「社会福祉」に関する考えがいかにいい加減であったかを思い知らされた。

 同法1条は、「目的」として「この法律は、社会福祉を目的とする事業の全分野における共通的基本事項を定め、社会福祉を目的とする他の法律と相まって、福祉サービスの利用者の利益の保護及び地域における社会福祉(以下「地域福祉」という。)の推進を図るとともに、社会福祉事業の公明かつ適正な実施の確保及び社会福祉を目的とする事業の健全な発達を図り、もって社会福祉の増進に資することを目的とする。」と述べていたのだ。

 考えてみれば分かりきったことで、社会福祉法によって保護されているA法人はこの目的に沿った運営が求められているのだ。ズバリ、営利ではなく社会福祉の健全な発展を目的としたものである。したがってこの目的に同意し、社会福祉に関心のある人は選挙などの手続きを経ることなく、理事や評議員になることができるのである。

 確かにA法人の定款の『評議員の資格』の項目には「社会福祉事業に関心を持ち、又は学識経験ある者で、この法人の主旨に賛同して協力する者」とだけ規定している。これは確かに社会福祉法の理念にかなっている。

 あわせて、営利に走ったり特定の個人の利益を規制するために、評議員の数は施設で働いている人(賃金を受けている人)の3分の1を超えてはならないし、定款には「その家族その他特殊の関係がある者が3分の1を超えて含まれてはならない」と施設利用者の家族などに関係ある人を制限しているのである。

 この考え方は実に合理的である。「社会福祉の健全な発展」を目的とした法律に基づいて設立される社会福祉法人は,営利を追求することのない運営の在り方を定めているのだ。したがって、評議員はボランティアであるし、社会福祉に関する一定の知識や経験を持った人でなければ就任できず、選挙で選出するなどの規定は不要なのである。

 前説(まえせつ)が長くなってしまって恐縮だが、評議員会が設置される理由と、その在り方を社会福祉法の立場から知っていただきたかったためである。その評議員(会)は、理事を選任することはできるが、「解任」の権限を有していないのである。

 それは、施設の運営にあたって、営利を求めないことを前提とした理事(会)に、フリーハンドを持たせるための保障であり便宜≠ナもあるのだ。前述した合理的に定められているというのはこのことである。したがって、社会福祉法人の理事(長)が解任されるような事態は、かつてどこの法人にもなかったと推測できる。(次回につづく)

★脈絡のないきょうの一行
米政策研究機関「外交問題評議会」が、北朝鮮空爆の可能性を提言。知恵がなさすぎる。
posted by マスコミ9条の会 at 18:39| Comment(0) | 労働運動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月18日

福岡高裁那覇支部多見谷裁判官に注目

戸塚章介さんのブログ「明日へのうた」より転載
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労働運動は社会の米・野菜・肉だ。
2016年09月18日
福岡高裁那覇支部多見谷裁判官に注目

■戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)


 前回ブログで福岡高裁那覇支部の多見谷寿郎裁判官を「年齢は分からないが若いのだろう」と書いたが大いに認識不足だった。1984年4月に大阪地裁判事補で任官した57歳。判事補から判事に昇格したのが94年4月で任地は東京地裁。以後宮崎、福岡、名古屋、千葉と異動しているが東京が一番長い。

 福岡高裁那覇支部に赴任したのは2015年10月30日付。国が翁長知事を相手取って「辺野古代執行訴訟」を提起する半月前のことだ。11月18日付配信の琉球新報デジタル販は「多見谷氏、辺野古代執行訴訟指揮へ」「成田訴訟など担当」と報じている。多見谷氏は千葉地裁当時、成田空港会社が土地所有の男性と交わした賃貸契約を一方的に破棄し土地を取り上げることを容認する判決を出したという。

 同年11月19日付配信の日刊ゲンダイデジタル版は「安倍政権が露骨な人事」「沖縄代執行訴訟に体制寄り″ル判官」とのタイトルで「判決は住民寄りではない」「体制寄りの判決を下す、ともっぱらの裁判官です(司法ジャーナリスト)」「そんなヒラメ裁判官が、よりによってこのタイミングで那覇志部長に就いたのだ。県民じゃなくても『怪しい人事』に見えてしまう」と指摘している。

 まったく三権分立をないがしろにする国の人事発動だが、多見谷寿郎の経歴をネットで調べていてオヤッという事件が目に付いた。彼は01年4月1日から04年3月31日まで東京地裁判事を務めているのだが、この在任期間中に石川島播磨賃金身分差別(武蔵工場)事件を担当していたのである。

 1999年暮れに提訴した同事件は審理中の02年10月、会社作成のマル秘文書「ZC管理名簿」が明らかになり朝日新聞が紙面に取り上げた。ZCとはコミュニスト・ゼロの意で露骨な思想差別文書だった。この文書が裁判所に提出されるや担当の多見谷裁判長は即座に和解を勧告し、渋る会社側を話し合いのテーブルにつけさせた。それからの和解交渉は争議団ペースで進み04年3月、和解成立に至った。

 和解内容は争議団の完全勝利であった。この事件で多見谷裁判長は何故強引に和解を推し進めたのか。マル秘文書で会社が妥協を強いられることが分かり切っていたのに・・・。そこには一企業のメンツとか労務政策への支障などを犠牲にしても事を納めるべきだとの判断があったと見るほかはない。

 石播は軍事産業の中枢を担う国策会社である。これ以上紛争を長引かせたくないという国の意向が働いていたように今にして思う。沖縄の今後と多見谷寿郎の動きに注目していきたい。
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11484 友人の解雇C――数字のまやかしU

水久保文明さんのブログ「ヘボやんの独り言」より転載
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16年09月18日
11484 友人の解雇C――数字のまやかしU

■水久保文明(JCJ会員 千代田区労協事務局長 元毎日新聞労組書記)


 この議決にBさんは書面といえども権利はない。定款は別の項目で「理事会の議決について、特別の利害関係を有する理事は、その議事の議決に加わることができない。」という規定があるからだ。これは後に触れるが合理的な規定である。

 Bさんはこの規定の『利害関係者』に該当するから、議決には加われない。したがって、議決権が存在するのは理事6人中の5人であり、前出議事録を正しく記載するならBさんの施設長延期についての議決は、投票権モノはき5人だから「議長保留1、承認1、反対2、保留(書面)1」とするのが相当である。

 この数は一目瞭然で、施設長の延長承認に賛成も反対も過半数の4に達していないことが分かる。この採決結果は、野球などのスポーツでいえば「引き分け」あるいは「延長線」であるし、マージャン用語を借りれば「流局」ということになる。すなわち、賛成、反対ともに過半数に達していないのだ。したがってこの議案については延長線≠ヘあり得ないので、議決不成立で『継続審議』あるいは『保留』が相当である。

 ところが、議事録は施設長の延長について前出のように「承認1名、保留(書面)1名。承認賛成が1名のため否決された」と説明しているだけ。この項の冒頭で述べたが、私も完全にこの数字に騙された一人である。「賛成が1名だけだったら施設長延長を拒否されても仕方がない」と。ところが、定款に定めた施設長延長否決に必要な「過半数」に達していなかったのである。

 この議事録は市当局に提出し、受理されたらしい(らしい、というのは市に未確認だから)。恐らく市の担当者も騙されたことと思う。こういう数字のまやかしが仮に許されるのなら、「反対2名、保留(書面)1名。承認反対が過半数に達せず、施設長延長の承認は可決された」と、議事録とは真逆の記載をすることも可能になる。実に恣意的で悪質な否決議事録≠ニしか言いようがない。提出された議事録は記載漏れというより議決の改ざんと断言できる。いやいや、これは犯罪だ。

 したがって、Aさんの施設長解任は議決の上からも無効だが、こういう方法で出席した理事を愚弄し、行政をも騙すことを考えた人はすごいと思う。その知恵をぜひほかのところで活かしてもらいたいものだ。

 施設長解任のインチキ性を述べてきたが、次は理事(長)解任問題である。こちらもまた、定款にない方法で解任を決めている。この説明も、社会福祉法の精神に立ち戻らなければならず、やや、複雑になるがご容赦願いたい。(次号につづく)

★脈絡のないきょうの一行
沖縄・辺野古新基地訴訟、想定通りの判決。権力(行政)と権力(司法)の合作、むべなるかな。それでも沖縄県民は闘う。

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2016年09月17日

ますます固まる沖縄新基地絶対阻止

戸塚章介さんのブログ「明日へのうた」より転載
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労働運動は社会の米・野菜・肉だ。
2016年09月17日
ますます固まる沖縄新基地絶対阻止

■戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)


 福岡高裁那覇支部の多見谷寿郎裁判長は16日、翁長知事の辺野古新基地承認取り消しを違法と断定した判決を言い渡した。この裁判を国が提起したのが今年7月22日、わずか2ヵ月足らずの審理期間。異例の速さであり、いま沖縄・高江で行われている凶暴な住民弾圧と軌を一にする不当判決である。

 国と沖縄県の辺野古新基地をめぐる争いの経過を見てみよう。14年11月16日の知事選で翁長知事が圧勝。15年10月13日、前知事が行った辺野古新基地建設のための宜野湾埋め立て承認措置を取り消した。これに対して国は11月17日、埋め立て強行を可能にする代執行を提起する。その提起先が福岡高裁那覇支部であり、担当が多見谷裁判官だったのだ。年齢は分からないが多分若いのだろう。

 この多見谷裁判長が言い出したのが「国と県との対等な話し合いによる解決」という和解である。いろいろ問題があったが、翁長知事も話し合い解決を決断してこの和解勧告をのんだ。国も和解に応じて代執行訴訟を取り下げた。さあこれで話し合いが始まるのかな、と期待したが国は事実上協議を拒否する。

 国は和解成立の4日後、今年3月7日に翁長知事に対し「埋め立て承認取り消しの撤回」を求めて是正指示を出す。話し合いでなく、指示・命令によって埋め立てを強行する構えである。そんなやり方に降参するわけにはいかない。県は国地方係争処理委員会に「国の指示」の適否を問い質した。ところが係争処理委員会は6月17日、適否を判断せずに無責任にも審査終了としてしまう。

 国は係争処理委員会の審査終了を待っていたかのように「国の是正指示に従わない知事は違法」という理由で「違法確認裁判」を福岡高裁那覇支部に提訴、それが7月22日。担当裁判官は前の裁判で和解を勧告した多見谷判事だというわけだ。普通自分がまとめた和解だから、それが実行されたのか、話し合い解決の努力がなされたのかを検証すべきなのに彼はそんな忖度は一切しない。判決へ一直線だ。

 彼はもっぱら仲井真前知事の埋め立て承認措置が適法か違法かを判断。「適法」ならそれを取り消した翁長知事の措置は「違法」だというわけだ。こんな論法で沖縄県の苦悩が分かるわけがない。

 労働委員会はもちろん普通の民事訴訟でも、一度和解で訴訟当事者が合意したなら同じ内容の訴訟を提起してもその取扱いには慎重になるのが常識だ。今回の多見谷裁判官のような拙速で無責任な態度は許されない。それとも最初から国側と示し合わせた「デキレース」だったのか。いずれにしても翁長知事は「絶対に辺野古基地は造らせない」と決意は固い。沖縄県民とともにこの決意を断固支持する。
posted by マスコミ9条の会 at 19:11| Comment(0) | 労働運動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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