2013年08月29日

10942 「はだしのゲン」閲覧制限撤回は当然

水久保文明さんのブログ「ヘボやんの独り言」より転載
http://96k.blog98.fc2.com/
13年08月28日
10942 「はだしのゲン」閲覧制限撤回は当然

■水久保文明(JCJ会員 千代田区労協事務局長 元毎日新聞労組書記)


 26日、松江市の教育委員会は「はだしのゲン」の閲覧制限について撤回を決めました。当然の措置ですが、なぜこのような事態になったのか検証してみる必要がありそうです。

 発端は昨年のこと。「昨年の8月、市民の一部から『間違った歴史認識を植え付ける』として学校図書室から撤去を求める陳情が市議会に出された。同12月、不採択とされた」(毎日新聞)ことから始まっています。この不採択を不服に思った「市民」が、前教育長に直談判。その前教育長が教育委員会に掛け合った結果、閲覧禁止処分にした−−報道によればこれが経過のようです。

 つまり、当の教育委員が全く知らないところで(事務局の判断で)行われていたのです。ここには重大な問題があります。教育委員会事務局が閲覧制限を独断で行うなど、常識的に考えられないことだからです。これは、地方議会にたとえれば、ある条例づくりのために案が事務局に提出されものを、議会に諮らずに実施したようなものです。

 しかも、この「案」はいったん陳情という形をとったものの全会一致で市議会が不採択にしたものではありませんか。それを行政の一部門である教育委員会事務局が覆して、閲覧制限を行ったのです。これは前述の議会にたとえれば、否決された条例案を行政が勝手に実行することと同じです。

 実はこれと同じようなことが、東京都と神奈川県の教育委員会で行われたことをご存じでしょうか。この問題を書いた小ブログ(8月17日付)で紹介しましたが、実教出版社の高校歴史教科書で日の丸・君が代の記述のなかに、「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」という記述が問題である、として採択を拒否したのです。

 この教科書は文科省の検定を受けているにもかかわらず、です。東京、神奈川の両教育委員会は松江市教育委員会の事務局と同じように、本来OK(閲覧可能)のものに対して、NOという判断を下したのです。これはひどい。教育現場がすさんでいく様が見て取れます。

 今回の「はだしのゲン」の閲覧制限問題について、政府の菅義偉(スガ ヨシヒデ)官房長官はコメントを控えました。「こういうやり方は遺憾である」といったとたん、東京と神奈川の教育委員会が実教出版の教科書を不採択した問題に飛び火する恐れがあるからです。わきまえている、というか透けて見えるというか。

 話しが横道にそれましたが、もう一つ重要な問題があります。「間違った歴史認識を植え付ける」と告発した松江市民のことです。伝えられるところによると、この人はこの種の問題の確信犯的クレーマー≠セというではありませんか。そういう人の意見を取り上げた前教育長もそうですが、教育委員会事務局の責任は免れません。「ゲン」が間違った歴史認識になるかどうかの意見は、言論の自由の立場からみれば許容されることですが、それを実現するために一方的にコミック誌を排除してしまうことは明らかなルール違反です。

 最近、形は違いますがTPP参加や原発輸出など、今回の事件と同じようなことが行われはじめていることに危機感を覚えるのは私だけでしょうか。

★脈絡のないきょうの一行
世界遺産の京都二条城で、菊紋の下から葵(あおい)紋が出てきたってね。へぇー面白いね。

posted by マスコミ9条の会 at 06:55| Comment(0) | 労働運動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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