2015年01月15日

知事選挙

2015年1月14日
佐賀県知事に山口氏が初当選、自民分裂の激戦制す

池田 龍夫(ジャーナリスト・元毎日新聞)


 古川康元知事の国政転身に伴う佐賀県知事選挙は1月11日に投開票され、無所属新人で元総務省官僚の山口祥義氏(49)が初当選。自民・公明推薦の元同県武雄市長・樋渡啓祐氏(45)に4万票票も差をつけた勝利だった。政府・自民党本部が国政選挙並みに樋渡氏を全面支援した年明け最初の知事選で敗れたことは、安倍晋三政権にとって大打撃だ。
 安倍政権は、玄海原発再稼働やオスプレイ佐賀空港配備計画の容認を公言していた樋渡氏を、地域の頭越しに全面支援。樋渡氏への自民党推薦も党県連ではなく、菅義偉官房長官の意向を受けた党本部が決めた。「安倍1強」の地方介入は自民分裂選挙の亀裂をより深め、地域の分断を招いた。
 滋賀県知事選(2014年7月14日)沖縄県知事選(11月16日)沖縄衆院選(12月14日)に続き、与党候補敗北の傷痕は深く、4月の統一地方選に影響しそうだ。党推薦の樋渡啓祐氏を敬遠し、今回山口氏を擁立したJAグループ佐賀の政治団体「県農政協議会」は自民党の県内最大の支援組織だけに、事態は深刻化してきた。
 (いけだ・たつお)毎日新聞ОB。
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2015年01月12日

河野談話など

2015年1月5日
戦後70年,「村山談話」を継承して平和構築

池田 龍夫(ジャーナリスト・元毎日新聞)


 戦後70年が流れた。世界各地での騒乱は依然絶えず、日本を取り巻く環境が改善されたとは言えない。安倍晋三政権の「積極的平和主義」に危険性を感じている国民は少なくない。年頭に当たり、「村山談話」の警鐘を痛感、その全文を読み直す意義は大きい。村山富市首相が「戦後50周年の記念日にあたって」国民に訴えた歴史的文書である。

  植民地支配、侵略を反省
 「先の大戦が終わりを告げてから、50年の歳月が流れました。今、あらためて、あの戦争によって犠牲となられた内外の多くの人々に思いを馳せるとき、万感胸に迫るものがあります。
 敗戦後、日本は、あの焼け野原から、幾多の困難を乗りこえて、今日の平和と繁栄を築いてまいりました。このことは私たちの誇りであり、そのために注がれた国民の皆様1人1人の英知とたゆみない努力に、私は心から敬意の念を表わすものであります。ここに至るまで、米国をはじめ、世界の国々から寄せられた支援と協力に対し、あらためて深甚な謝意を表明いたします。また、アジア太平洋近隣諸国、米国、さらには欧州諸国との間に今日のような友好関係を築き上げるに至ったことを、心から喜びたいと思います。
 平和で豊かな日本となった今日、私たちはややもすればこの平和の尊さ、有難さを忘れがちになります。私たちは過去のあやまちを2度と繰り返すことのないよう、戦争の悲惨さを若い世代に語り伝えていかなければなりません。とくに近隣諸国の人々と手を携えて、アジア太平洋地域ひいては世界の平和を確かなものとしていくためには、なによりも、これらの諸国との間に深い理解と信頼にもとづいた関係を培っていくことが不可欠と考えます。政府は、この考えにもとづき、特に近現代における日本と近隣アジア諸国との関係にかかわる歴史研究を支援し、各国との交流の飛躍的な拡大をはかるために、この2つを柱とした平和友好交流事業を展開しております。また、現在取り組んでいる戦後処理問題についても、わが国とこれらの国々との信頼関係を一層強化するため、私は、ひき続き誠実に対応してまいります。
 いま、戦後50周年の節目に当たり、われわれが銘記すべきことは、来し方を訪ねて歴史の教訓に学び、未来を望んで、人類社会の平和と繁栄への道を誤らないことであります。
 わが国は、遠くない過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私は、未来に誤ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、心からのお詫びの気持ちを表明いたします。また、この歴史がもたらした内外すべての犠牲者に深い哀悼の念を捧げます。
 敗戦の日から50周年を迎えた今日、わが国は、深い反省に立ち、独善的なナショナリズムを排し、責任ある国際社会の一員として国際協調を促進し、それを通じて、平和の理念と民主主義とを押し広めていかなければなりません。同時に、わが国は、唯一の被爆国としての体験を踏まえて、核兵器の究極の廃絶を目指し、核不拡散体制の強化など、国際的な軍縮を積極的に推進していくことが肝要であります。これこそ、過去に対するつぐないとなり、犠牲となられた方々の御霊を鎮めるゆえんとなると、私は信じております。
 『杖るは信に如くは莫し』と申します。この記念すべき時に当たり、信義を施政の根幹とすることを内外に表明し、私の誓いの言葉といたします」。
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2014年12月23日

第三者委

2014年12月22日
慰安婦問題、朝日の第三者委報告は年越しか

池田 龍夫(ジャーナリスト・元毎日新聞)


 朝日新聞8月5~6日付朝刊が、「過去の『慰安婦問題を考える』」特集を掲載。済州島での強制連行などを虚偽と断定した記事が波紋を広げ、安倍政権首脳の非難や右派メディアのバッシング報道によって世間は騒然となった。
 ところが朝日新聞には自浄能力がなく、お手上げ。10月3日に第三者委員会を立ちあげ、慰安婦報道検証を委ねた。中込秀樹氏(元名古屋高裁委員長)岡本行夫氏(外交評論家)北岡伸一氏(国際大学学長)田原総一郎氏(ジャーナリスト)波多野澄雄氏(筑波大学名誉教授)林香里氏(東大大学院教授)保坂正康氏(作家)ら7人の委員で10月9日から検証作業を始めた。「2カ月程度をめどに具体的な提言を盛り込んだ報告をまとめていただく」と、社告していたが、その後の経過報告がないまま年末になってしまった。
 12月中の検証報告はても無理で、結論は年越しにならざるを得ない状態だ。慎重審議しているとはいえ、朝日本社の姿勢はおかしい。忘却の彼方へと押しやってしまう恐れすら感じる。
(いけだ・たつお)毎日新聞ОB。
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2014年12月07日

一票の格差

2014年12月5日
国会議員は「定数是正」論議をサボタージュ

池田 龍夫(ジャーナリスト・元毎日新聞)


いて一票の格差が2・43倍もあり、「違憲状態」と判断。その最大の要因は、各都道府県に議席を1つずつ割り振る「1人別枠方式」だとして抜本的改革を要請したが、国会の反応は鈍い。安倍内閣で13年6月、小選挙区定数を「0増5減」とする選挙区割りが成立。最大格差1・998倍となったものの、最近の住民基本台帳で計算すると一票の格差が2倍以上の選挙区が複数出てきているという。「0増5減」を合言葉にしただけで、各党の熱意はさっぱりだ。どうにもならず、「第三者機関」に調整を頼んだとは情けない。

 最高裁が参院選格差に「違憲状態」
 一方、「一票の格差」が最大4・77倍だった昨年7月の参院選について、最高裁は11月26日、「違憲状態」と断じた。しかし参院論議は盛り上がらず、どこ吹く風とはとんでもない話である。
 理想を言えば、人口を議員の数で割った人口をもとに選挙区を作るのが望ましいが、それでは議員が都市部に集中してしまい、国民全体に反映される政治にはならない可能性が出てくる。地方の意見も国政に取り入れる為、地方にもある程度の議員数が必要なわけだ。
 今の選挙区はこの都市や地方に意見が反映されるように各県で2名以上の議員が選出されるように選挙区分けがなされているが、今度は議員一人当たりの有権者数に差が出てくる。同じ当選でも、有権者の一票の大きさは割合的に地方のほうが大きい。これが、一票の格差。有権者が少ない程一票の重みは大きくなり、有権者が多い程一票の重みは小さくなる。しかし、一票の格差を無くそうと都市部の選挙区を増やせば、地方がお座なりになる。だからと言って、大幅な格差是正をさぼっているとは情けない。

 米国上院の合理的な定数
 ちなみに、米国上議員の定数は各州2名で、任期6年、2年毎に3分の1改選。改選しない州が毎回出るが、各州2名と固定しているため問題無いという。日本の参議院も都道府県各2名の計94名なら違憲訴訟不能になるのではないか。
 日本の国会議員は自分のイスに縛りつくばかり。日本の政治家の大半が政治屋≠セから無理からぬことなのだろうか。
 (いけだ・たつお)毎日新聞ОB。
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2014年11月21日

解散

2014年11月14日
党利党略の解散ムード

池田 龍夫(ジャーナリスト・元毎日新聞)


 「消費税10%先送り、年内解散」の予測が乱れ飛んでいる。11月17日に発表される7~9月の国内総生産(GDP)の速報値が芳しくないと、政府与党が推測。外遊中の安倍首相の帰国を待って、来年10月の消費税率10%引き上げを先送りして衆院解散に踏み切るとのシナリオに違いない。
 「早期解散論はあざとい」(毎日11月12日付社説)、「政治と増税、解散に大義あるか(朝日社説)など、自分勝手な解散風を厳しく糾弾している。それだけ景気の落ち込みが激しく、先行き不安の状態から脱出したいとの焦りが政界に蔓延している証拠である。
 間違った経済政策の検証もしないで、「与党有利なうちに解散」を打ち出すとは言語道断である。景気対策だけでなく、原発再稼働や集団的自衛権などの論議も先延ばしされるわけで、まさに党利党略そのものではないか。
(いけだ・たつお)毎日新聞ОB。
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2014年11月18日

沖縄知事選結果

2014年11月17日
沖縄知事選敗北、大混乱の安倍政権

池田 龍夫(ジャーナリスト・元毎日新聞)


 11月16日行われた沖縄知事選挙で、野党推薦の翁長雄志氏が3選を目指した仲井真弘多氏を大差で破って当選を果たした。稲嶺進那覇市長に続いて与党候補が敗れたショックは大きい。
 政府与党には大打撃で、普天間飛行場の名護市辺野古移設の行方が混沌としてきた。「12月14日衆院解散」の決意を固めた安倍晋三政権にとって、成長政策の破綻と沖縄問題のダブルパンチを食らって深刻な状況だ。
 翁長新知事に「辺野古移転ノー」を突きつけられることは必至で、政府はどのような政策変更を打ち出すだろうか。菅義偉官房長官は先に「辺野古移転は過去の話」と嘯いていたが、本気で代替案を示す必要に迫られている。
 米国との関係も複雑だ。辺野古沖埋め立てで、米海海兵隊の2000人規模の揚陸艦が入港できる軍港づくりも破綻してしまう。移設撤回をめぐって、日米協議も行わざるを得ない状況に進展し、崖っぷちに立たされ安倍政権がどう乗り切るか、難しい局面に立たされている。
 (いけだ・たつお)毎日新聞ОB。
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2014年11月16日

沖縄知事選

2014年11月10日
沖縄知事選と米軍基地問題の苦悩

池田 龍夫(ジャーナリスト・元毎日新聞)


 11月16日投開票の沖縄県知事選について、朝日新聞は7〜8日の両日、沖縄タイムス社、琉球朝日放送と共同で電話調査を行った。朝日9日付朝刊によると、前那覇市長の翁長雄志氏(64)が優位に立ち、現職の仲井真弘多氏(75)が追っている。元郵政民営化担当相の下地幹郎氏(53)は伸び悩んでおり、前民主党県連代表の喜納昌吉氏(66)も支持の広がりが限定的だ。

 翁長氏がリード、仲井真・前知事が追う
 知事選への関心は「大いに関心がある」が57%、「少しは関心がある」が35%で、約9割の人が関心を示している。投票態度を明らかにした人を分析すると、翁長氏は幅広い年代から支持されており、全体の7割を占める無党派層にも浸透している。支援を受けている社民、社大、共産支持者を固め、自主投票の民主も大半が支持している。 仲井真氏は推薦を受けた自民の支持者の約8割を固めた。年代別では20〜40代で一定の支持を集めている。無党派層で引き離されている。

 天皇裕仁の政治責任は重い
  最近読んだ「沖縄の<怒> 日米への抵抗」(ガバン・マコーマック豪州国立大名誉教授、乗松聡子氏共著)に痛く感動したので、その一部を紹介して参考に供したい。
 「戦後、分離された沖縄は米国の『太平洋の要石』とされた。天皇裕仁は(1901~1989年)自身、分離と米国による軍事占領を希望した。自らの政治権力を全て剥奪した1947年憲法には受諾しておきながら、憲法施行数日後、裕仁はマッカーサー元帥に、『日本の安全を図る為には、アングロサクソンの代表者である米国がそのイニシアチブを執ることを要請するのでありまして、このため元帥の御支援を期待しています』と伝えている」。
 また、「1945年2月、前首相で天皇の側近である近衛文麿は敗戦必至であり、共産化を防ぎ国体を維持するためにも早期和平を探るよう天皇に進言した。天皇は合意せず、『もう一度戦果を挙げてからではないと難しい』と答えた。日本本土で敗戦を論じるときは、8月15日ポツダム宣言を受諾して降伏したという、いわゆる天皇の聖断が注目されるが、沖縄では逆に、天皇がこの近衛上奏文≠ノもかかわらず戦争を続行した責任に重点が置かれる。この決断により多大の損害を受けたのは沖縄だけではない。広島と長崎の原爆を含め約50万人と推定されている日本本土の空襲などによる民間人死者の大半が、このときの戦争続行決断の後に殺されている」と、天皇の戦争責任を指弾している。
 沖縄人の心情を投影した県知事選挙、結果のいかんを問わず、米軍沖縄基地打開への道は険しい。
 (いけだ・たつお)毎日新聞ОB。
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2014年11月12日

日中関係

2014年11月12日
なお難題残した日中首脳会談

池田 龍夫(ジャーナリスト・元毎日新聞)


 安部晋三首相と習近平国家主席との「日中首脳会談」は11月10日、北京で2年半ぶりに開かれた。関係改善に一歩踏み出す原則は確認されたものの、歴史認識、尖閣諸島をめぐる対立の構図は変わっていない。
 今回の会談で確認されたポイントは、@海上連絡メカニズムについて事務処理をすることで一致 A戦略的互恵関係に基づく日中関係の進展を確認 B習主席「歴史問題は13億人の国民の感情の問題 C安倍首相「安部内閣も歴代内閣の歴史認識の立場を引き継いでいる――との4点に絞られる。
 尖閣諸島問題は明記されていないが、@に包含されているに違いなく、海上警備の協力が望まれる。難題はBの「歴史認識」だ。中国の姿勢は、「靖国神社参拝」など安倍政権の右傾化には同調できないということで、日本側の柔軟な姿勢が特に必要である。
 朝日新聞10日付朝刊が、「両首脳から達成感が伝わらない。10日の夕食会、中国の伝統衣装を着た首相夫妻は習氏は握手で出迎えたが、各国首脳と親しく話すのに比べると、やはりぎごちなさが残った」と印象を記していたが、まだまだ日中間の溝は深そうだ。
 (いけだ・たつお)毎日新聞0B。

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2014年11月08日

プルサーマル

2014年11月5日
プルトニウムを使う「プルサーマル計画」破綻

池田 龍夫(ジャーナリスト・元毎日新聞)


 プルサーマル計画は破綻必至である。この計画は、原発で使用した核燃料を再処理して取り出したプルトニウムとウランを混ぜた混合酸化物(MOX)燃料を、原発(軽水炉)で使う計画。核燃料サイクルの柱と位置づけられている。
 大手9電力と日本原子力発電など11社で計16~18基の実施を見込んでいるが、再延期せざるを得ないという。48機の原発再稼働の見通しが立たず、再処理工場の稼働も遅れているからだ。また、高速増殖炉「もんじゅ」もナトリウム事故などトラブル続きで、お手上げ状態だ。
 朝日新聞11月3日付朝刊が、「日本が持つ47d超のプルトニウムの行き場がなくなれば、利用目的のない『余剰プルトニウム』を持たないという国際公約に反し、軍事転用を疑われかねない。一方で、非核保有国の例外として日本に再処理を認めてきた日米原子力協定の改定も4年後に迫った。これもプルトニウム利用が前提だ。見通しが立たなければ、改定交渉に影響する可能性がある」と憂慮していた通りであろう。

 原発再稼働に固執する安倍政権
 一方、原子力規制委は川内原発につき新安全基準に照らして再稼働を認めた。新基準による審査パス第1号で、鹿児島県議会は7日に受け入れ承認の運びだ。福島原発で世界を震撼させたのに、日本の原子力政策に反省の色はなく、特に安倍晋三政権になってから「原発再稼働促進」に凝り固まっている。川内原発に続き、高浜3~4号機、玄海3~4号機、大飯3~4号機など13原発が規制委の審査を待ち望んでいる。
 ドイツのメルケル政権は福島事故直後、「22年までに原発中止」を宣言している。火山列島・日本政府に認識が全くないのに呆れ果てる。
 (いけだ・たつお)毎日新聞ОB。
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2014年10月16日

在特会

2014年10月15日
「在特会」と安倍政権の危険な関係

池田 龍夫(ジャーナリスト・元毎日新聞)


 在特会(在日特権を許さない市民の会)のヘイトスピーチが、国際的な非難を浴びる深刻な事態になってきた。
 「在特会の動きを取り締まる国家公安委員長に、貴女はふさわしくないのではないか」――10月7日の参院予算委員会で小川敏夫議員(民主党)は、山谷えり子国家公務委員長(拉致問題担当相)が、在特会の関係者と2009年に一緒の写真に納まっていたことが先月発覚した」と追及、これをきっかけに騒ぎが広がっている。
 在特会は、安倍晋三氏が首相就任以前(2009年ごろ)から自民党にシンパシーを抱き、安倍氏らに接触していたという。安倍氏にもその頃、1回会ったと週刊誌が伝えていた。
 高市早苗総務相と稲田朋美自民党政調会長が「ネオナチ団体と隣合わせに写る写真が明るみに出た」と複数の海外メディアが報じ、一気に問題が拡大したようだ。
 自民党支持のネット右翼が仕掛けた企みは明らかで、第2次安倍改造内閣への欧米の冷ややかな視線を感じる。
 毎日夕刊で、「間接的な影響は『日本売り』にまで及ぶ」との警告する声まである」と、米在住の作家,冷泉彰彦さんの危惧を伝えている。
 「アベノミクスの行方に関心を持つ人々は多い。だが在特会や右翼団体と閣僚らの写真の問題は、『安倍内閣は、考え方の非常に古い支持層から送り込まれた議員で構成されている』というメッセージと受け止められた。古い支持層の反発を招く第三の矢(成長戦略)は実行できないだろうとの失望が広がった」と指摘していたが、まさにその通りと思う。
 (いけだ・たつお)毎日新聞ОB。
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2014年10月12日

川内原発

2014年10月10日
火山列島に囲まれた原発の脅威

池田 龍夫(ジャーナリスト・元毎日新聞)


 長野、岐阜県境の御嶽山(3067b)が9月29日噴火してから10日。噴火はなお続いており、気象庁によると、10月6日23回、7日も6回火山性地震が起きている。7日現在で50人を超す遺体が確認された。自衛隊員数百人が救出作業に当たるなど、戦後最悪の噴火災害とった。

九州電力川内原発立地に問題
 原子力規制委員会が審査書案をまとめた九州電力川内原発(鹿児島県)が立地する南九州には、過去に巨大噴火を起こした火山が複数あり、今まで以上に再稼働へも不安の声が高まっている。南九州は、木曽御嶽山や富士山もおよびもつかない阿蘇カルデラ、加久藤・小林カルデラ(霧島山周辺)、姶良カルデラ(桜島周辺)、阿多カルデラかまって(開聞岳周辺)、鬼界カルデラ(薩摩硫黄島周辺)と巨大カルデラ火山が5個も存在している。
 日経10月7日付朝刊社説は、「原子力規制委員会発足後3年目に当たって、改めて規制委に求めたい。例えば巨大な火山爆発のある川内原発の審査を通したが、地元住民への説明が足りない。9日に鹿児島県が開く説明会に、規制庁の委員は出席しないという。(中略)規制委の仕事は原子力の安全向上だけではない。福島事故で損なわれた規制への信頼回復は重要だ。もっとオープンに対話力を持ってほしい」と指摘していた。
 原発の規制基準は半径160`圏内の火山を検討対象としている。川内原発では巨大噴火があったことを示すカルデラ(大きなくぼ地)が主なものだけで5つある。九電はうち3つについて、火砕流が川内原発がある場所に達した可能性を認めている。しかし、規制委の審査では、火山の専門家が九電の対策に直接意見を述べる機会がなかった。首都大学東京の町田洋名誉教授は巨大噴火の発生頻度が低いことを認めつつ、「自然は人の思うようには動かない」と強調。鹿児島大の井村隆介准教授も「近くのカルデラで、既にマグマが多量にたまっている可能性も否定できない」と懸念している。規制委^会や九州電力は、「予知」した対策を講じることができるとして川内原発再稼働を進めている。全国各地に地震帯が潜んでおり、特に若狭湾や刈羽原発などの原発再稼働をどう判断するか。火山の専門家たちは「予知」は困難という懸念を示している。規制委は地震学者らの進言や意見を尊重して慎重審議に徹すべきだ。

規制委はもっと地震学者の意見を聞け
 九電は、川内原発から半径160`以内の14火山を「将来活動性がある」「活動性を否定できない」と評価。たとえ噴火しても「敷地への影響はない」とし、火山灰の影響は、桜島の噴火で敷地内に15a積もる場合を想定して対策を講じた。規制委はこれらの結果を妥当と結論づけた。
 御嶽山でも異常現象はあったが、噴火の前兆としては認識されなかった。巨大噴火の際、前兆現象があるかどうかも分からないが、あったとしても、それが噴火の前兆として認識されるかどうかも不明なのである。規制委は火山学者を集めた検討会を作り、観測態勢やどのような現象を噴火の兆候と考えるかの指針作りに着手。検討会で火山学者から「現在の火山学では巨大噴火の予測は困難」「巨大噴火の兆候とする判断基準がない」など疑問の声が相次ぎ、判断基準は今後の検討課題となっている。しかし田中俊一委員長は「巨大噴火はここ30年、40年の間に起こるものではない。天災がいつ起きるか分からないので社会的活動をやめてください、という考え方では仕事はできない」と述べたそうだ。大嶽山惨事を軽視しすぎている。近くに原発がなかったからの話であってとんでもない認識不足である。この言葉が示すように、サイエンスではなくビジネスが問題なのである。川内原発再稼働の行方が日本の原子力行政の重大な転換点になることは必至である。
 (いけだ・たつお)毎日新聞ОB。
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沖縄関連

2014年10月6日
米議会「辺野古移設」を巡る知事選を厳しく分析

池田 龍夫(ジャーナリスト・元毎日新聞)


 沖縄県知事選挙(11月16日)まであと40日。現職の仲井真弘多氏(75)と那覇市長の翁長雄志氏(63)、元郵政民営化担当相の下地幹郎氏(53)らが立候補を表明し、選挙戦の行方は混沌としている。特に仲井真氏を推す自民党も党本部と県議会との調整に苦慮しており、辺野古移設反対を掲げている翁長氏の動向が注目される。

「県内移設は断念しかみちはない」
 米国議会は、このような状況を察知してか、厳しい現状分析をまとめた報告書を提出した。琉球新報10月4日付社説で「米議会報告書、県内移設断念しか道はない」との見出しを掲げて詳報していた。米側の分析に頷ける点があるので、その概略を紹介する。
 「米議会調査局が公表した報告書では、米軍普天間飛行場の辺野古移設計画に関する沖縄県内の状況について『仲井真知事の決断(埋め立て承認)にもかかわらず、ほとんどの県民が政治、環境、生活の質など複合的な理由から新基地に反対している』と分析した。8月末の県内世論調査では辺野古移設に向けた海底ボーリング調査について80・22%が移設作業は中止すべきだと回答。普天間問題の解決策を県外・国外移設や無条件閉鎖・撤去を求める意見の合計が79・7%に達した。もはや辺野古移設が現実的でないことを日米両政府は直視すべきだ。

安倍政権と県民との対立を懸念
 さらに報告書はこう記した。『安倍政権は仲井真知事の承認を得るために重大な時間と金を投じてきたが、重大な遅れなく、また県民との対立をこれ以上深刻化させることなく基地建設を進めるため、さらなる政治的資源を投じ続けなくてはならないだろう』。米側が政府と県民との対立が深刻化していることに強い懸念を示していることが分かる。知事が政府の意向に沿うよう埋め立てを承認するまで『時間と金を投じてきた』」ように、基地建設を進めるためには県民に対しても政治的資源を投じるよう指南している。しかしこの部分の指摘には同意できない。県民の頬を札束でたたけば基地建設を受け入れると思っているのならば間違いだ。米政府内で普天間交渉にも長年携わった知日派重鎮の日米外交筋は、11月の県知事選で移設反対派が勝利した場合、日米政府が移設作業を強行し沖縄と『全面対決』になれば『ディザスター(大惨事)になる』と警告している。県民を懐柔して辺野古移設を継続することは不可能だと認識すべきだ。議会報告書の指摘する県民との対立の深刻化を回避する道は一つしかない。県内移設を断念することだ」――。
米報告書にあるように、県民の意向を正確に把握し、日米両政府は県外・国外移設に向けた作業にかじを切るべきだと考える。
  (いけだ・たつお)毎日新聞ОB。
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2014年10月03日

慰安婦問題、朝日の迷走に呆れる

2014年10月1日
慰安婦問題、朝日の迷走に呆れる

池田 龍夫(ジャーナリスト・元毎日新聞)


 帝塚山学院大(大阪府大阪狭山市)に、元朝日新聞記者の男性教授(67)を辞めさせないと大学を爆破するとした脅迫文書が、複数届いていたことが分かった。元記者は8月に朝日が慰安婦報道を検証した記事で、吉田清治氏の虚偽証言に関する記事を最初に書いたとされていた。元記者は文書が届いた日に教授を辞職。
 毎日新聞9月30日付朝刊によると、脅迫文書が同大学に届いたのは9月13日。元記者への批判と「くぎを入れたガス爆弾を爆発させる」といった趣旨が書かれ、大学の法人理事長や学長宛などで送られていた。当事者の朝日が半日遅れの夕刊に報じたが、扱いを巡って社内に混乱があったのではないだろうか。

 というのは、朝日9月29日付朝刊に「慰安婦集記事の一部を訂正します」との3段見出しで「特集記事掲載、当時の大阪社会部にいた別の元記者が吉田氏の記事を書いたことが1度だけある。初報は自分が書いた記事かもしれないと名乗り出ています」という奇妙な訂正記事が出たからだ。「初報が掲載された経緯については近く設置する第三者委員会の調査結果を踏まえて紙面でご説明します」と、弁解しているのも奇妙ではないか。

 慰安婦誤報問題は、辻褄の合わないことばかり。第三者委員会など当然設置されていたと思っていたので、朝日の狼狽ぶりには呆れ果てる。

 (いけだ・たつお)毎日新聞ОB。札幌市の北星学園大学でも脅迫文が送りつけられる事件があった。
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2014年09月30日

もんじゅ

2014年9月29日
高速増殖炉「もんじゅ」撤退は当然

池田 龍夫(ジャーナリスト・元毎日新聞)


 最近の報道によると、高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の運用を見直す集中審議期間を来年3月末までの半年間延長することになった。
 重要な機器の点検漏れが相次いでおり、日本原子力研究開発機構が、将来的には停止命令を出すのではないかと、推測されている。
 「もんじゅ」は普通の原子炉よりも「高速」の中性子を使って、燃料のプルトニウムを増殖させる装置。しかし他国でもうまく機能せず、米・英・独は開発計画を中止している。仏は研究を続けており、日本もまだ未練を持っているようだ。
 「もんじゅ」だけでもこれまで1兆円以上使っており、今も1日5500万円もの経費を要する。「六カ所村」に至っては、その何倍もの費用がかかっているという。見通しが全く立たない「核燃サイクル」は破綻していることは明らか。脱原発へ向け、政策転換を急ぐべきである。
 (いけだ・たつお)毎日新聞ОB。
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2014年09月26日

安倍首相の言動に警戒信号

2014年9月26日
安倍首相の言動に警戒信号

池田 龍夫(ジャーナリスト・元毎日新聞)


 「[積極的平和主義」を旗印に掲げ、意気軒高な安倍晋三首相の暴走に、国民の不安が高まっている。こんな折、毎日新聞と朝日新聞9月24日付2面コラムが疑問点を指摘して、秀逸だった。
 毎日の<熱血!与良政談>は、石田雄東大名誉教授の発言を紹介して安倍政権の姿勢を問い質し、「安倍総理、あなたは人を殺せますかと問いたい」とズバリ斬り込んだ。殺し合いの戦争体験を語る老学者(91歳)の説得力ある話に、学生たちは感動ひとしおだった。
 一方、安倍昭恵夫人のワシントンでの演説。「どんな国の方とも仲良くしたい」との発言を、ワシントン・ポスト紙が大きく取り上げ、「昭恵さんの言動が、安倍首相の保守派イメージを和らげる安倍首相の秘密兵器=vと論評した。米国人らしい皮肉な見方に、成るほどと思った。
 (いけだ・たつお)毎日新聞ОB。
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2014年09月21日

オリバー

2014年9月17日
「危うい日本」への貴重な講演録

池田 龍夫(ジャーナリスト・元毎日新聞)


 <オリバー・ストーンが語る日米史>を読んで、深く感銘させられた。オリバーとピーター・カズニックアメリカン大学教授、乗松聡子さん(平和教育団体『ピース・フィロソフィー・センター』代表=在カナダ)の3氏が2013年夏来日。広島・長崎・沖縄・東京を精力的に回って講演、対談した記録をまとめた一書で、オリバー米映画監督を軸に、歯に衣着せぬ見事な著作である。その主要発言のごく一部を紹介し、参考に供したい。

 米国のアジアでの共産主義との闘いの人質
 オリバーは先ず「日本は米国のアジアにおける共産主義との闘いにおいて、(沖縄は)人質として使われてきたのです。朝鮮戦争の出撃地点として利用され、その後もベトナム戦争、イラク戦争などに利用されてきました」と指摘した(3n)。次いで、「2013年、この戦争の亡霊がアジアに戻りつつあります。オバマは安倍が大好きです。とりわけ今、尖閣諸島をめぐって紛争がありますけれども、このように価値のない島をめぐって争うというのは本当にバカげています。しかし、もっと大きな問題は、それをめぐって安倍とそれを取り巻くグループが、日本のナショナリズムを大きく復活させつつあるということです。
 第2次世界大戦中のナショナリズムが、軍国主義的な考え方です。南京大虐殺や従軍慰安婦などを否定するような考え方です」(42〜43n)と、安倍政権の危うさに警戒信号を示した。

 「核の傘」に頼らない平和国家構築を
 ピーター教授も、「日本で問題のある家族の系譜があります。1960年に岸信介首相の下で安保条約を改定し、弟の佐藤栄作の下では、沖縄が返還されました。沖縄返還の際、米国と有事核持ち込みの密約を結んでいました。そして今、岸の孫である安倍晋三首相はもっとも悪質な歴史否定主義者の一人です。・・・日本は核の傘ではない非核3原則と平和憲法の精神に則り、太平洋地域において紛争を解決し、平和な世界をつくるために指導的な役割を果たしてほしいです」(102〜103n)と、岸3代の系譜をたどって、ズバリ指摘した筆法に感心した。
 ベトナム戦争に従軍した2人だけに、「戦争の本質について話をしよう!」と全国行脚した情熱と語り口は見事だ。

 靖国参拝と尖閣紛争に米国はヤキモキ
 乗松さんの平和に賭ける情熱もすごい。「13年、日米関係の亀裂を決定的にしたのは、安倍首相が12月26日に靖国神社を参拝したことだ。米国はその年の10月、ケリー国務長官とヘーゲル国防長官が来日したとき、真っ先に千鳥が淵戦没者墓苑に献花したという異例の行動に出て、米国のアーリントン墓地を引き合いに出し、靖国参拝を正当化しようとした安倍首相をけん制した後でもあった。米国の主要紙ニューヨークタイムズやワシントン・ポストにも安倍政権の政策の行き過ぎを批判する記事が続出した。14年4月には、オバマ大統領が安倍政権になって初めて来日したが、米国の一番の関心事であるTPP交渉で合意に至らないまま日米首脳会談は行なわれた。オバマ大統領は、『尖閣の施政権は日本にあるが、領有権については米国は立場を取らない』と述べた。安保条約5条は尖閣に適用するという従来の米国の立場を繰り返したことは、安倍首相とメディアに喜ばれたようだ。大統領は日中間の対話を再三促し、エスカレーションを許すのは『深刻な過ちである』と、安倍首相に警告している」(180〜181n・後書き)。
 乗松さんのコーディネイトによって、各種講演や稲嶺進名護市長との対談など多彩な内容となった。「米国に幻想を抱いてはいけない」との教訓を、日本国民は噛みしなければならない。
*「金曜日」14年8月20日発行,定価1000円+税

(いけだ・たつお)毎日新聞ОB。
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2014年09月14日

朝日謝罪

2014年9月12日
慰安婦問題の誤報で、朝日新聞社長が陳謝

池田 龍夫(ジャーナリスト・元毎日新聞)


 朝日新聞の木村伊量社長は、9月11日夜記者会見を開き「従軍慰安婦問題」の誤報について全面的に謝罪した。遅きに失した発表だが、世間の非難をかわす狙いが明白だ。
 社長自らが深々と頭を下げて「責任をとる」と言明したことは、マスコミ界にとって異例なことである。また「第三者委員会」を設置して、問題究明に当たるとも述べた。どういう構成の委員会にするのか詳らかではないが、公正な組織にしなければ意味がない。
 ニューヨークタイムズが2003年、誤報記事をきっかけに「オンブズマン制度」を導入したことを思い出した。参考になる制度なので、03年7月31日共同電の概略を紹介したい。
 「NYタイムズのクラー編集主幹は7月30日、記事ねつ造、盗作事件で、傷ついた同紙の信頼回復を目指し、オンブズマン制度や記者教育に当たる編集者職などを新設する方針を明らかにした。同紙のジェーソン・ブレア元記者による ねつ造・盗作事件で設置された調査委員会の勧告に基づく措置。われわれのジャーナリズムの活動と不可欠だ」述べていた。
 今回の朝日騒動と同じケースであり、朝日の真剣な取り組みを望みたい・
 (いけだ・たつお)毎日新聞ОB。
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2014年09月10日

朝日

2014年9月8日
慰安婦問題、国連人権委報告への影響が心配

池田 龍夫(ジャーナリスト・元毎日新聞)


 朝日新聞の2大スキャンダルについては、本紙518号(9月5日付)で、今西光男氏が池上彰問題、天野勝文氏が従軍慰安婦問題について批判している通りである。特に慰安婦問題の国際的反響が高まっているので、菅義偉官房長官談話などを通じて、問題点を探ってみた。
 菅官房長官は9月5日の記者会見で、旧日本軍の慰安婦を「性奴隷」と位置付けて日本に謝罪と賠償を勧告した国連人権委員会報告書(クマラスワミ報告書)について「報告書の一部が、朝日新聞が先般取り消した記事に影響を受けているのは間違いない」と語った。
 朝日新聞は8月5日朝刊で「戦時中に朝鮮半島で女性を強制連行した」との吉田清治氏(故人)の証言が虚偽だったとして関連記事を取り消したが、朝日一連の報道とクマラスワミ報告の内容は無関係でないとの官房長官が述べたことは重大である。
 国連人権委の反応はまだ伝わって来ないが、クマラスワミ報告書に影響するのではないか。朝日の説明はなお不十分で、日本メディアへの国際的批判が心配になってきた、朝日バッシングで内輪げんかしている時ではないはずだ。
(いけだ・たつお)毎日新聞ОB。
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2014年09月07日

自衛権

2014年9月5日
集団的自衛権、安倍首相の強弁が心配だ

池田 龍夫(ジャーナリスト・元毎日新聞)


 集団的自衛権を巡って、安倍晋三首相の場当たり的な強弁には説得力がなく、国民からの批判が高まっている。国際的にも、日本の右派偏向≠危惧する声が高まってきた。
 ホルムズ海峡は、日本にとって石油パイプラインの要衝である。注意すべきことは、同海峡がペルシャ湾とオマーン湾の公海と領海が絡みあった狭い海であることだ。最も狭いところは、僅か33`bに過ぎない。領海は1992年の「海洋法条約」で「国土の基線から最大12海里(約12・2`b)までの範囲で国家が設定した帯状の水域で、沿岸国主権が及ぶ」と規定されている。

 ホルムズ海峡での機雷掃海に行けるのか
 安倍首相は再三、「集団的自衛権を行使するにしても、海外派兵はしません」と言明してきた。自衛隊は、領土や領海など他国の領域には入らないとの公約に等しい。しかし別の答弁で「ホルムズ海峡に機雷が仕掛けられれば、自衛隊は機雷掃海に臨む」と弁明しているが、これこそ敵地に乗り込むことではないのか。
 さらに恐ろしい首相の強弁は「朝鮮半島有事で避難する邦人を輸送する米艦船が攻撃を受けた場合、集団的自衛権によって米軍が助けてくれる」と、言い切ったことだ。
 豊下楢彦・元関西学院大学教授が最近出版した「集団的自衛権と安全保障」(岩波新書)で、そんな空論は全くのウソと指摘している。国際外交専門家として理路整然たる一文に感銘させられた。それによると、「在韓米軍が毎年訓練を行っている『非戦闘員避難救出作戦』で避難させる対象になっているのは、在韓米国市民14万人、友好国の市民8万人(2012年段階)であり、この友好国とは英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドというアングロ・サクソン系諸国なのである。さらに避難作戦は、航空機によって実施される。

 尖閣問題でも米国を困らせる
 もう一つ尖閣問題に関する箇所を引用させていただく。つまり、朝鮮有事において米軍が邦人を救出することも、絶対にあり得ないシナリオである」と明快に述べている。
 オバマ大統領が尖閣について「日米安保条約第5条に基づき、日本を守る」と述べたことを政府は喧伝しているが、それほど単純なことではなさそうだ。豊下論文は、「尖閣問題で米国が安保条約を発動するか否かを決めるポイントは、尖閣の領有権を巡って日中両国のうち、どちらが相手を刺激するような『引き金』に先に指をかけるか、という点にある。言い換えれば、日本が先に手を出した、と解釈された場合、日本との『同盟関係』だけで中国との、『大国同士の関係』も重視する米国は、必ずしも全面的に賛同し、支援するわけではない」と、政府の一方的な姿勢に警告を発していた。
 有識者や外務当局の建言を無視するような安倍首相の外交音痴≠ノは呆れ果てる。
 (いけだ・たつお)毎日新聞ОB。
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2014年09月02日

景気

2014年9月1日
7月の消費支出激減 景気回復にブレーキ

池田 龍夫(ジャーナリスト・元毎日新聞)


 政府が8月29日、家計調査を公表したが、7月の1世帯当たりの消費支出は激減。前年同月比5・9%減(物価変動を除いた実質)と4カ月連続で減少し、下げ幅は6月(3・0%減)より拡大したことが分かった。個人消費は国内総生産(GDP)の約6割を占めており、景気回復にブレーキをかけたことが懸念される。

       各省庁の概算要求水膨れ≠ノ呆れる
 国の予算編成につき各省庁の概算要求が8月29日、出そろった。安倍政権が打ち出した人口減対策や地方対策に多くの要求が集まり、総額は101兆台と初めて100兆円を超えた。政府は年末までに精査して削減するが、今年度予算95・9兆円を超えて過去最大規模になるのは確実とみられている。
 毎日新聞30日付社説は「水膨れ≠ノあきれ返る」との見出しを掲げ、「国の借金が1000兆円を超え、財政が危機状況だから国民は消費増税の負担を受け入れたのだ。その中で予算要求を抑えず、これだけ水膨れさせるとは、政治家と官僚は国民の信頼にまったく反している。(中略)要求の大幅増は安全保障や外交にまで及ぶ。政権が力を入れる防衛予算要求額は過去最高の5兆545億円となった。政府が本気で歳出抑制に取り組み、財政健全化に向き合う姿勢を見せてもらわないと、消費増税の負担を背負う国民は納得できない」と主張していたが、国民の多くが共感するに違いない。
  (いけだ・たつお)毎日新聞ОB。
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