「言論の自由を守る砦」のために〜放送行政の独立機関化を考える
岩崎 貞明(『放送レポート』編集長)
原口一博総務大臣は、昨年12月から総務省で「今後のICT分野における国民の権利保障等の在り方を考えるフォーラム」を発足させた。原口大臣によれば「言論の自由を守る砦」を作るための議論を、有識者などによるこのフォーラムで1年ほどかけて行っていくのだという。これまでの議論を傍聴している限りでは、各メンバーが自らの関心事をそれぞれ散発的に述べ合うだけで、集中的な議論はまだ始まっていないが、「国民のコミュニケーションの権利」などといった、自民党政権時代にはおよそ公的な場では聞くことのできなかった単語が飛び交う会議には、新鮮な感銘を受けた。こういう会議が公開で(インターネット中継もされている)進められることは歓迎したい。
この「砦」がいったいどのようなものを想定しているのか、現時点でははっきりとしていないが、選挙前から公表されていた民主党の政策集『INDEX2009』の中では「通信・放送委員会(日本版FCC)の設置」と題して〈通信・放送行政を総務省から切り離し、独立性の高い独立行政委員会として通信・放送委員会(日本版FCC)を設置し、通信・放送行政を移します。これにより、国家権力を監視する役割を持つ放送局を国家権力が監督するという矛盾を解消するとともに、放送に対する国の恣意的な介入を排除します〉とうたっている。放送行政を政府から切り離して、放送に対する国家権力の不当な介入を排除しようという姿勢を示していることは、まず評価していいと思う。
問題は、そういう組織をどのように作り上げ、運営していくか、ということにある。そこで、先進諸外国では通例となっている独立行政委員会による放送行政を実現するために、筆者としてぜひ検討してもらいたいと考えるポイントをいくつかご紹介したい。
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