2019年03月22日

お彼岸に墓参りをしてきた

戸塚章介さんのブログ「明日へのうた」より転載


労働運動は社会の米・野菜・肉だ。

2019年03月22日

お彼岸に墓参りをしてきた

 昨21日お彼岸の中日、お墓参りに行ってきた。今年は、93年4月に死んだお袋の27回忌に当たるそうだ。「そうだ」と他人事のように言うのはおれにはその自覚がなく、菩提寺の元三安楽寺からのお知らせで知ったからだ。お寺さんは「法要はともかく卒塔婆だけは建てたらどうか」と勧める。そうすることにした。お袋のと先祖代々のと2本組、妹2人分と合わせて6本頼んだ。1本5000円。

 午前9時、女房の運転で出発。6号線に出て柏市街を通り抜け新利根橋を渡ってふれあい道路。守谷を抜けて水海道へ。63年前に卒業した水海道一高を右手に見ながら通過して鬼怒川にかかる豊水橋を渡る。小雨がぱらついたが10時40分に無事お寺に到着。卒塔婆を車に積み込んで大生郷のお墓へ。

 おれはこの地に、満州から引き揚げてきて高校を卒業するまで10年間暮らした。満州時代が幼時成長期とすれば水海道は少年から青年へのいわば人間成長期。ここでおれの原型が形成された。お墓は内久根墓地といって親父の先祖から受け継がれてきた。父母はこの地で生まれたが結婚して東京へ出ている。

 雨が上がって初夏のような太陽が照ってきた。仏花を飾り線香を上げ墓石の後ろに卒塔婆を建てた。この墓は15年前におれが建て直した。前の墓は幸七という親父の祖父が建てたもので、今にも崩れそうだった。生前親不孝ばかりしていたお返しにと建て直すことにしたが手間もお金もかかった。

 その頃まだ生きていたA叔父さん(母の弟)に相談、地元の墓石店を紹介してもらった。墓石工事の費用は最終的に168万円。これに抜魂式、入魂式などお寺関係のお布施類に計25万円。姉妹、親戚を招いての法事費用などを含めると200万円ほどの出費になった。そのかわり周囲の墓の中でも一段と立派だ。

 卒塔婆を建てた後、A叔父さんの子ども(おれの従弟)の家へ寄って休憩した。従弟の嫁さんにはお墓の管理を頼んでいる。A叔父さんは10年前に亡くなった。おれたち一家が満州から引き揚げてきてこの地に厄介になるについては、A叔父さんやお袋の父親(つまりおれの母方の祖父)には大変世話になった。そんな話をしながら嫁さんの手料理でビールをご馳走になり、いい気持になった。

 「隣で眠らないでよ」と女房にくぎを刺されながら帰途に就く。風が強くなってきたが気温はぐんぐん上がる。眠気をこらえるのは至難の業だ。考えてみるともう親父の死んだ年はとっくに越え、お袋の享年に近づきつつある。これからどのくらいがんばれるかな。午後3時無事帰着。女房殿ご苦労さん。
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団結権擁護の役目を投げ捨てた中労委

戸塚章介さんのブログ「明日へのうた」より転載


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2019年03月20日

団結権擁護の役目を投げ捨てた中労委

 「店主の団交権認めず」「中労委判断」「コンビニ『労働者ではない』」(16日付『毎日』)。「コンビニオーナー団交認めず」「中労委『労働者に当たらず』」(16日付『赤旗』)。2014年交付の岡山県労委と15年交付の東京都労委の「団交せよ」との命令を中労委が2件まとめて頭から否定した。

 中労委が、コンビニオーナーは労働者でないとする根拠はつまるところ「オーナーは独立した小売業者である」という判断に尽きる。「会社の事業の遂行に不可欠な労働力として会社の事業組織に組み入れられ、労働契約に類する契約によって労務を供給しているとはいえない」「(オーナーは)会社から労務提供の対価として報酬を受け取っているということはできず、他方で、事業者性は顕著である」。

 なんという判断だ。政府が主導する「働き方改革」の方向に沿った、というよりすり寄ったと言ってもいい姿勢だ。いま厚生労働省のあり方がいろいろ問題になっているが、「中労委よお前もか」と言いたくなる。労働委員会が戦後70年に亘って営々と築き上げてきた労働者保護の基本を投げ捨てるのか。

 理屈はいろいろあるだろうが、コンビニオーナーが朝から夜まで過酷な労働を強いられているのは紛れもない事実である。自分の意思でなんとか調整できるような生易しい労働環境ではない。自分が過労死のリスクを背負って働いた上に事業者としての責務も果たさなければならない。それがオーナーなのだ。

 同じような働き方をしている労働者は沢山いる。車持ちダンプ運転手、NHK受信料の集金人、新聞や雑誌と契約するフリー記者、エレベーターなどの保守業務、オーケストラの楽団員等々。労働委員会はこれらの人々が労働者であることを実態に基づいて認定してきた。

 独立した事業者かどうかで議論されたプロ野球選手についても都労委は、@球団と選手との契約は対等とは言えない、A年俸は一部高い選手がいるものの平均すれば労働者としての賃金の範囲内である、B年俸は事業所得として取り扱われているが労働者性の障害にはならない、として労働者性を認定している。これによってプロ野球選手会(労働組合)は球団及びその上部機関であるプロ野球機構(実行委員会)との団交権が認められている。この基準に照らせばコンビニオーナーの労働者性は自明の理のはずだ。

 労働委員会はいうまでもなく労働者の団結権擁護の行政機関である。労働者という概念は経営者の意図によって狭められる傾向にある。労働者性の否定は団結権の否定そのものだ。かつて都労委委員として労働委員会の中で仕事をした一人として、中労委が本来の役割に立ち返ることを強く求める。
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2019年03月16日

東洋大学タテカン事件に思う 

戸塚章介さんのブログ「明日へのうた」より転載


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2019年03月16日

東洋大学タテカン事件に思う

 東洋大学の白山キャンパスで「竹中平蔵による授業反対」というタテカン(立て看板)を立てた斎藤円華君の言い分が3月15日付の『週間金曜日』に載っている。運動としては思ったように広がらなかったようだが、一般学生、学校側、教授たちに一定の刺激となったことは確かだ。

 斎藤君は1995年生まれ、同大学文学部哲学科の4年生。今春卒業予定だ。その斎藤君がタテカンと同時に配布したビラの中でで竹中平蔵の授業に反対する理由を次のように述べている。

 「竹中氏が主導した労働政策の大規模な規制緩和によって非正規労働者が増大し、雇用が以前に比べて圧倒的に不安定化したためです。しかし一方、竹中氏自身は人材派遣会社パソナグループの会長であり、労働者派遣法の緩和で利益を得る立場にいます。そのしわ寄せは私を含む若者やその子どもらの世代にも来ていて、自分たちはどんどん企業に使い捨てにされてしまう。私たちの将来に直結する問題です」。

 この問題意識は100%的を射ている。今の大学生の中にこんなにズバリ物の言える若者がいるとはほんとに頼もしい限りだ。それをタテカンとビラ配布という古典的な手法でで訴えた。ただし一昔前のような集団(セクト)に頼らず、1人で考えて1人で実行したあたりが現代風と言えば現代風である。

 斎藤君は「(今の大学は)真理探究の場としてふさわしいのか」と疑問を呈する。「(東洋大学)6号館が『パノプティコン』、つまり一望監視できる刑務所のような造りになっているのです」。そんな中で大学が「就職予備校」化する。竹中氏はその動きを加速させるために東洋大学にやってきた。

 このタテカン騒ぎに対して大学当局は、掲示10分後に強制的に撤去し、斎藤君を呼びつけて「退学処分となる可能性がある」「親にも連絡する」と脅した。ところがここから話は現代風になるのだが、斎藤君が発信したSNSによってあっという間に問題が拡散し大学当局の動向に注目が集まった。結局大学当局は退学にもできず、親も呼べなかった。学則を示して「例示しただけ」と言い訳している。

 逆に斎藤君への支持が集まったかというとそれもほとんどないのだそうだ。斎藤君が授業を受けている哲学科の教授も「上が首を縦に振らないと動けない」と逃げの姿勢だ。「私に対する大学当局の対応は民主主義がいまだに立ち遅れている証拠。しかしだからこそ良い方向に変わる可能性も」と斎藤君は意気軒昂だ。
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「東海道五十三次いっせいアピール」。ご苦労さまでした。

元ワイドショープロデューサー仲築間 卓蔵(なかつくま・たくぞう)のブログ
「テレビ」と「平和」と「憲法」のblogより転載
http://blog.goo.ne.jp/takuzou4108
2019年03月15日

「東海道五十三次いっせいアピール」。ご苦労さまでした。

■仲築間 卓蔵(元日本テレビプロデユーサー)

アベ早期退陣を求めてマスコミ九条の会が呼びかけた「東海道五十三次いっせいアピール」が3月9日(土)、街道筋48の宿場55ヶ所でとりくまれました。

 京都三条大橋では東映の俳優さんが弥次喜多に扮して参加し関心を集めました。
 三条大橋に負けてはならじと、大映、東映、松竹の撮影所のある帷子辻駅でもとりくまれました。
 
 東京は日本橋と品川。日本橋にはマスコミ九条の会(新聞、放送など)、日本ジャーナリスト会議、九条の会東京連絡会などのみなさんが結集し、異口同音に「アベ政治を終わりにしよう」と訴えました。お天気も味方してくれました。

 マスコミ九条の会は昨年12月24日「いっせいアピール」の呼びかけを決め、各地九条の会に「賛同依頼」を送りましたが、年末ということもあってか反応はいまいち。
 「おもしろい企画を提起してくれてありがとう」という滋賀九条の会の「賛同」がきっかけで、次々に「行動に参加する」という返事が届きはじめました。

 最も苦労したのは、宿が最も多い静岡でしたね。
 元国労東海の委員長だった山梨さんの尽力で、一気に広がりましたよ。

 神奈川は川崎宿から箱根宿までの全宿 プラス茅ヶ崎が参加。
 川崎ではトランペット、ピアニカの演奏あり、腹話術あり。
 戸塚では、はっぴ姿で参加する人あり、三味線の伴奏で「お江戸日本橋」が歌われたり、ついには数え歌の替え歌まで披露されたようです。

       一つとや アベさん真実知らせない
            ごまかしごまかし 改憲だ
       二つとや 国会審議を見てみれば
            まともな説明 どこにある
 200枚のチラシが足りなくなったそうです。
 神奈川宿から「いっせいアピール提案ありがとう。次は全国で九条の会いっせい行動ができればいいですねえ」というメールをいただきました。

 九条の会からは「3000万署名を達成して 5月3日総決起」の檄が飛ばされています。
 神奈川の県知事選挙にはパワーあふれる岸牧子さんが市民連合「かながわReBorn」から立候補。黒岩現知事と一騎打ちです。
 ことしは まさに「正念場」です。

 あらためて 「五十三次いっせいアピール」に参加されたみなさん。ごくろうさまでございました。


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最低賃金の大幅引き上げを

戸塚章介さんのブログ「明日へのうた」より転載


労働運動は社会の米・野菜・肉だ。

2019年03月13日

最低賃金の大幅引き上げを

 以前から問題になっていたことだが、最低賃金の地域格差が改めて政治課題になっている。今年4月からは外国人労働者の受け入れ拡大が実施される。昨年の改正入管法の国会論議でも「賃金の高い都市部で働きたい」というのが技能実習生が失踪する原因ではないかとの議論がなされた。自民党の有志議員が最低賃金額を全国どこでも東京の水準に合わせる論議推進のための議連を近く発足させる予定だという。

 最低賃金は地域格差も大問題だが、その絶対額の低さも無視できない。一番高い東京でも時間給985円だ。これでは1日8時間、月20日間働いて月給15万7600円、年収189万1200円にしかならない。相変わらずワーキングプアだ。これでは結婚もできないし、結婚しても子どもは無理だ。「今すぐ1500円の最低賃金を」とエキタス(最低賃金の引き上げを求める青年の自主組織)は叫ぶ。

 アメリカでも最低賃金引き上げをめぐる労働者のたたかいが政界に反映して熱く燃え上がっている。3年前の米大統領選で健闘したバーニー・サンダース議員が、最低賃金引き上げを求める政策を打ち出し議員の署名運動を始めた。190人の下院議員が署名し、31人が15ドル最賃法の共同提案者になった。

 2024年までに最低賃金を15ドルに引き上げるという法律案が米議会下院に上程され教育労働委員会を通過した。同委員会のスコット委員長は「15ドルの引き上げにより、全国4000万人の労働者の賃金と生活水準が向上する。賃金水準の向上が、コミュニティに還元されることで米国経済を刺激する」と発表した。今後本会議にかけられるが、下院を通過することは間違いないだろうと言われている。

 15ドルと言えば日本円で1700円弱、月額27万2000円、年収326万4000円になる。これでも労働者が満足な生活を営むには少ないが、現状からは飛躍的な前進である。この最低賃金引き上げについては保守派の間から「生活費や産業の状況が州によって異なる。政府が管轄すべきでない」との声も出ている。また「貧困層が減少するものの失業者が増えるだろう」と予測する調査機関もある。

 アメリカは来年大統領選挙の年だ。最低賃金引き上げを主張するサンダース議員とそれを支持する労働者層の動向が注目される。日本はこれから4月に統一地方選、7月に参院選が行われるが、外国人労働者も含めた低賃金層の生存権確保を賭けた最低賃金引き上げへの論議をもっと強め広げていく必要があるのではないだろうか。
posted by マスコミ9条の会 at 19:48| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

「法の番人」が「権力の番犬」に堕ちるとき

戸塚章介さんのブログ「明日へのうた」より転載


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2019年03月10日

「法の番人」が「権力の番犬」に堕ちるとき

 「横畠長官発言 『越権行為』広がる波紋」「参院予算委員長厳重注意」(9日付『毎日』)。「横畠祐介内閣法制局長官が国会で野党議員の質問をやゆした発言が波紋を広げている。8日には金子原二郎参院予算委員長が遺憾の意を表明し、横畠氏に厳重注意を求める事態に発展した」。

 金子委員長に注意された横畠氏は「行政府にある者の立場を逸脱した誠に不適切なもの」と謝罪し、「今後2度とこのような発言をせず、誠実に答弁していく」と釈明したそうだ(『毎日』)。しかし立憲民主党の杉尾秀哉議員は「憲政史上に一大汚点を残した。辞めるべきだ」と怒りは治まらない。

 横畠氏の答弁は「(国会の行政監視機能は)このような場で声を荒らげて発言することまで含むとは考えていない」というもの。同じ趣旨をを安倍晋三氏が発言したとしたらこのような問題にはならなかったろう。横畠氏はうかつにも安倍首相の代弁をしてしまった。それも無理からぬような気もする。

 何故「無理からぬ」のか。官僚と政府答弁は切っても切れない関係にあるからだ。つい4か月前の18月11月、桜田義孝五輪相は国会でのしどろもどろ答弁を追及され「事前に詳細な質問内容の通告をいただければ充実した質疑ができた」と言い訳をした。官僚の答弁準備が間に合わなかったことを嘆いたのである。

 毎月勤労統計の不正問題でも加藤勝信厚労相は官僚のメモを棒読み。安倍首相や外相、財務相など主要閣僚の答弁も同じようなものだ。そんな国会運営に慣れてしまった官僚が、つい本物の大臣の答弁領域に入り込んだ。それが今回の横畠内閣法制局長官ではなかったか。現政権の国会運営の当然の帰結に思える。

 それにしても内閣法制局長官という地位が軽くなったこと、今更ながら嘆かわしい。以前は内閣のやることに対して違憲か合憲か厳しくチェックしていた。集団的自衛権や自衛隊の海外活動について違憲の見解を述べていた。それが歴代の内閣法制局長官だった。だからこそ「法の番人」と呼ばれたのだ。

 ところが第二次安倍内閣が発足するや、集団的自衛権の行使を可能にするよう憲法解釈を変更するために2013年8月、以前から行使容認派と言われていた小松一郎氏を任命。2015年9月の戦争法強行採決の盾に使った(小松氏はその年6月死去)。そして後任が横畑祐介長官。今や「法の番人」から「権力の番犬」に成り下がったと言われても仕方なかろう。「越権行為」よりもこっちの方が嘆かわしい。
posted by マスコミ9条の会 at 19:46| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月07日

立ち上がった技能実習生

戸塚章介さんのブログ「明日へのうた」より転載


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2019年03月06日

立ち上がった技能実習生

 厚生労働省の外国人雇用状況調査(17年10月現在)によれば日本で働く外国人労働者の国別のトップは中国で37万人(29.1%)、2位がベトナムの24万人(18.8%)である。ちなみに3位以下はフィリピン、ブラジル、オーストラリア・ニュージーランド、ネパール、韓国、ペルーの順だ。

 ドイモイ路線で経済発展中と言われるベトナムだが、都市と農村とか富と貧困とかの格差があるということなのかも知れない。「日本に行けばお金になる」と誘われて、渡航費用を借金で工面して日本に来たがその実態はどうか。3月2日付『京都新聞』が次のような記事を載せている。

 39歳のベトナム人技能実習生(女性)が、最低賃金以下で働かされたとして京都地裁に労働審判を申し立てた。女性は夫と死別後、2人の娘の大学進学費用を作るために「送り出し機関」の紹介で福知山にある縫製会社に技能実習生として雇われた。仕事は単純なミシンがけだがノルマがきつく、監視人から大声でプレッシャーをかけられる。他の8人の実習生とともに二段ベッドの狭い寮に入れられた。

 女性の申し立ては@最低賃金との差額の250万円、Aパスポートの取り上げや強制貯金、過労死ラインを超える残業命令などの仕打ちに対する慰謝料110万円の請求という内容だ。「連日の残業で頭痛が続いた」「ひどい仕打ちを受けた。来たことを本当に後悔した」と女性は述懐している。  

 女性の声を聞いて労働審判への申立てを援助したのは、京都で外国人労働者問題を取り上げている個人加盟の労働組合「きょうとユニオン」である。女性は来日後11か月ほどしてユニオンの存在を知り、組合員になった。それを知った会社は組合脱退を求めて脱退届への署名を迫った。同時に法的手段をとることに備えて給与支払明細書や労働条件通知書、残業時間を記した業務日誌も示さなくなった。

 この京都新聞の記事を見る限り明らかな法違反がある。最低賃金法と労働組合法の二つだ。日本国内で人を雇って働かせてたら最低賃金法は守るべきだし、組合脱退を強要するのは労組法7条違反の不当労働行為である。労働審判申立てを受けた京都地裁がどのような判断を示すか注目される。

 本6日付『毎日』万能川柳に「平成の野麦峠ね実習生」という句が入選していた。100年以上前の女工哀史が未だに通用する日本。立ち上がったベトナム人女性の頑張りに期待する。
posted by マスコミ9条の会 at 20:16| Comment(0) | ベトナム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

米朝会談のホスト国ベトナムの明暗

戸塚章介さんのブログ「明日へのうた」より転載


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2019年03月02日

米朝会談のホスト国ベトナムの明暗

 3月1日付の毎日新聞は「米朝非核化合意なし」「北朝鮮制裁解除要求」「トランプ氏『協議継続』」と「合意に至らなかった」米朝会談の記事で1面の大半を埋めた。前日とは打って変わった仏頂面のトランプ、金正恩2人の写真。どうやら「成果焦り米の油断」(秋山信一記者)があったらしい。

 そんな米朝会談関係の記事の中で注目されるのは、3面の「金言」(西川恵客員編集委員)と8面の西脇真一ハノイ特派員の署名記事である。いずれも今回の米朝会談の場所を提供したベトナムに関する話だ。場所を貸しただけでなくホスト役としても名を挙げた表の面と、ドロドロした暗い面が語られる。

 西川氏は「国際社会で存在感と威信を高める格好の機会になった」「ベトナムの急速な地位向上はすでに言われていることだが、今回、ホスト国となったことでそれを証明した形だ。ベトナムにとっては対米関係を強化し、北朝鮮に発展モデルを示しと、得るところが大きかっただろう」と評価する。

 一方西脇特派員の記事は暗くやるせない。「金正男氏暗殺事件から2年」「『助けてと言いたいが』ベトナム人被告の父複雑」。西脇特派員がインタビューしたのは、「クアラルンプール国際空港で正男氏が猛毒のXVガスで殺害された事件で」逮捕されたドアン・ティ・フォン被告の父親ドアン・バン・タインさん。「娘がそんなことをするとは思わない。100%無実を信じている」と言い切る。

 「ベトナムと北朝鮮は伝統的な友好国だが、事件後、関係は冷え込んだ」。それが今回金委員長の入国を受け入れ、歓迎した。ベトナム側にいろんなメリットがあるからだ。金正男氏暗殺事件には触れてもらいたくない。西脇特派員がタインさんの取材を始めて数分後、地元の公安当局者に妨害されたという。

 ドイモイ路線で市場経済に舵を取り、アメリカ資本を受け入れた。その結果国家経済は著しい成長を遂げた。しかしベトナム国民がその恩恵を等しく受けているかというとそうではないだろう。労働条件の劣悪な日本に仕事を探してやってくる青年たち。貧困と格差の拡大が社会問題になっているのではないか。

 金正男氏暗殺事件に関与したとしてマレーシアで裁判を受けているフォン被告の育った境遇もそんなベトナムの暗部と無関係ではないだろう。果たして「発展のモデル」として北朝鮮に誇れるのだろうか。
posted by マスコミ9条の会 at 20:15| Comment(0) | ベトナム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月28日

トランプの狙いは「北朝鮮のベトナム化」?

戸塚章介さんのブログ「明日へのうた」より転載


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2019年02月28日

トランプの狙いは「北朝鮮のベトナム化」?

 第2回目の米朝首脳会談がハノイで始まった。今朝の新聞やテレビは関連ニュースで埋められている。そんな中で『毎日』の<国際>面は「ベトナムにも恩恵 米朝首脳会談」「対中警戒、米関係前進」との見出しで西脇真一ハノイ特派員の報告記事を載せている。ベトナムは単なる貸座敷ではないというわけだ。

 西脇特派員のレポートは、ベトナムには対中警戒感が強く米国との信頼関係の構築が必要だという視点が強調されている。「対米関係構築を急ぐ背景には中国の存在がある」「中国をけん制するため、ベトナムにとって米国のプレゼンスが必要で、日本やオーストラリアなどとの関係も緊密化させている」。

 米トランプ大統領は27日、金正恩氏との会談に先立ってグエン・フ―・チョン国家主席(ベトナム共産党書記長)と会った。その内容が28日付『赤旗』に紹介されている。チョン氏は米朝会談の開催地にベトナムを選んだことを歓迎し「自主独立の外交路線と相互尊重の原則に基づき、米国との関係強化を重視していると強調しました」。また枯葉剤除去など「戦争の負の遺産」の解決への協力を評価した。

 トランプ大統領は「両国の包括的パートナーシップとインド太平洋地域でのベトナムの役割を重視していると表明」し、両首脳は「経済関係の互恵的な発展を共に支持しました」(『赤旗』)。また、ベトナムの航空会社がボーイング社から156億ドルで110機の航空機を購入する契約に立ち会った。

 『毎日』記事に戻るが、ベトナムは以前から北朝鮮に「ドイモイ(刷新)をやらないか。やるなら経験を伝える」と誘っていたそうだ。ドイモイとは「計画経済」から「市場経済」へ転換するということ。この方針転換はアメリカにとっても利益をもたらした。ホーチミン市の都市開発や中部ベトナムのリゾート施設建設など、アメリカ資本の有力な投資先になった。確かに「経済関係の互恵的発展」ではある。

 しかしそのような「国の発展」が国民の生活や福祉の向上に寄与しているのかどうか。例えば都市と農村の格差拡大、日本やEU諸国への労働者移住など、問題は蓄積しているのではないか。投資する側のアメリカ資本はその辺のところはお構いなしである。ベトナム首脳の今後の課題だろう。

 アメリカと北朝鮮の急激な接近の裏に、「北朝鮮のベトナム化」というアメリカ資本の魂胆が隠されているようにも思うが、果たして邪推とばかり言い切れるだろうか。
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3・1独立運動と先人たちの良心

戸塚章介さんのブログ「明日へのうた」より転載


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2019年02月24日

3・1独立運動と先人たちの良心

 もうすぐ3月1日。日本の植民地支配からの独立を叫んで朝鮮の民衆が立ち上がった「3・1バンザイデモ」から100年が経つ。あれは10年くらい前だったかな、ソウルのタブコル公園に行ったことがある。公園を取り囲んで、民衆デモと日本軍の弾圧を描いた10枚の銅板レリーフが建っていた。おれはその一枚一枚を写真に撮りながら、重い気持ちを味わった記憶がある。

 2月22日号の『週間金曜日』が「100年前のろうそくデモ」と題して3・1朝鮮独立運動を特集している。「わたしたちは、わたしたちの国である朝鮮国が独立国であること、また朝鮮人が自由な民であることを宣言する」(民衆によって掲げられた「3・1独立宣言」の冒頭文)。この独立宣言と正面から真摯に向かい合った日本人がいた。『週間金曜日』によれば次のような人たちである。

 石橋湛山(当時『東洋経済新報』記者)「およそいかなる民族といえど、他民族の属国なることを愉快とするごとき事実は古来ほとんどない」「朝鮮人も一民族である。彼らは彼らの特殊なる言語をもっている。多年彼らの独立の歴史をもっている。衷心から日本人の属国たるを喜ぶ鮮人は一人もなかろう」「故に鮮人は日本の統治の下にいかなる善政に浴しても、決して満足すべきはずはない」。

 布施辰治(戦前から思想弾圧とたたかってきた弁護士)「崩壊断末魔に苦しむ日本資本主義の極みを植民地政策の支持に求めた朝鮮の経済的搾取と政治的圧迫とは容易に散り去ろうとはしない。いよいよ暴慢の限りを尽くす総督政治の不合理と不徹底とはいわゆる朝鮮問題の紛糾を続出している」。

 柳宗悦(人々の暮らし大切にする民芸家)「私は朝鮮の芸術ほど、愛の訪れを待つ芸術はないと思う。それは人情に憧れ、愛に活きたい心の芸術であった」「(彼らは言う)われわれの文化を馬蹄に蹂躙して、厚い友情を裏切ろうとするのであるか。かかる事が日本の名誉であると誰が言い得るのであるか」。

 吉野作造(無産政党の指導者)「あれだけの暴動(3・1独立運動)があってもなお少しも覚醒の色を示さないのは、いかにも良心の麻痺の深甚なるかを想像すべきである」「およそ自己に対しての反対の運動の起こった時、これを根本的に解決するの第一は自己の反省でなければならない」。

 『週間金曜日』は「戦前の良心から私たちは何を学ぶか」と問いかけている。先人たちの、時代の風潮に流されない勇気ある発言をかみしめながら、2019年3月1日を迎えたいと思う。。
posted by マスコミ9条の会 at 20:49| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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