2019年02月22日

記者攻撃に40年前を想起する

戸塚章介さんのブログ「明日へのうた」より転載


労働運動は社会の米・野菜・肉だ。

2019年02月22日

記者攻撃に40年前を想起する

 東京新聞の望月衣塑子記者を名指しにした内閣記者会に対する言論妨害が問題になっている。新聞労連はいち早く南彰中央執行委員長名の抗議声明を出し、東京新聞もそれなりに反論したが、当の内閣記者会や新聞協会は沈黙を続けている。官邸に対する怯えがあるのかなと心配になってくる。

 記者クラブに対する政権側の抑圧的言動として思い出すのは40年前の「石原暴言」問題である。1977年のことだ。当時の石原慎太郎環庁長官が77年9月号の月刊誌『現代』の対談で「自分とこの新聞で没になった原稿が、共産党の『赤旗』にのる記者なんか何人かいる」と発言。これを問題にした環境庁記者クラブは「衆議一決して再三の質問書を送った」(新聞労連編「新聞労働運動の歴史」)。

 石原長官の回答はクラブの納得しがたいものだった。それどころか第3回目の回答では「記者の何人かにその種の党派性があることに言及した」と開き直り、記者の思想調査をおこなっていることもあきらかにした(同著)。クラブは即座に抗議声明を発表して石原長官の定例記者会拒否を通告した。

 新聞労連は77年10月22日開催の第60回中央委員会で「言論・思想の自由を守り、公害報道の巻き返しを許さない立場から『糾弾決議』をおこなう。続いて新聞労連、日放労、民放労連の三単産とマスコミ共闘の共同アピールを出し、環境庁記者クラブとの連帯行動の決意を表明した。

 11月12日には衆議院第一議員会館内でマスコミ共闘主催の「石原環境庁長官の記者攻撃の真相をただし、国民の知る権利を考える集会」が開かれ、福田赳夫首相と石原長官への抗議文、新聞協会への申し入れを採択した。このような抗議の盛り上がりの中で石原長官は政権内部でも浮いた存在になり、11月28日の内閣改造では再任されなかった。自らの暴言で大臣の椅子を棒に振る結果となったのである。

 石原長官とたたかい抜いた環境庁記者クラブには新聞労連を脱退した産経労組や未加盟の中日労組の組合員がおり、また公害報道でも各紙で見解の相違があった。これらの「相違を乗り越えてのこの共同歩調は、画期的なものであった」と「新聞労働運動の歴史」は高く評価している。

 今回の内閣記者会への脅迫的申し入れは、正常な記者活動への妨害行為であることはまちがいない。攻撃の的になった内閣記者会がまず毅然として権力と対峙する姿勢をとることが大切なのではないだろうか。
posted by マスコミ9条の会 at 21:23| Comment(0) | 労働運動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

掃いて捨てるほどいるノーベル平和賞

戸塚章介さんのブログ「明日へのうた」より転載


労働運動は社会の米・野菜・肉だ。

2019年02月19日

掃いて捨てるほどいるノーベル平和賞

 「トランプ氏が推薦依頼」「ノーベル平和賞 昨夏、電話協議で」「野党一斉に批判」(19日付『毎日』)。安倍晋三首相がトランプ大統領をノーベル平和賞候補に推薦したことは事実だった。中距離核戦力(INF)全廃協定やイラン核合意からの離脱など核戦争政策を進めるトランプを「平和賞」に推薦というのは洒落にもならない。「そこまで対米従属しないと首相は務まらないのか」(小川淳也議員)。

 皮肉を込めて「トランプ氏にノーベル平和賞を」と言い出したのは韓国の文在寅大統領。去年の5月のことだ。南北朝鮮の対話促進に尽力した文氏に「ノーベル平和賞を」の声がかかったのに対し、同氏は「ノーベル賞はトランプ大統領に。われわれは平和だけもらえばいい」と答えた。立派だ。

 そもそも国の最高指導者でノーベル平和賞をもらったのは掃いて捨てるほどいる。1957年のピアソン・カナダ首相を筆頭に、佐藤栄作・日本首相(74年)、ベギン・イスラエル首相(78年)、ワレサ・ポーランド大統領(83年)、サンチェス・コスタリカ大統領(87年)、ゴルバチョフ・ソ連最高指導者(90年)、マンデラ・南ア大統領(93年)、ペレス・イスラエル大統領(94年)、金大中・韓国大統領(2000年)、カーター・アメリカ大統領(02年)、オバマアメリカ大統領(09年)、サントス・コロンビア大統領(16年)。賞に値する人物もいれば、賞金を返してもらいたい奴もいる。

 「複数の外交筋によると、トランプ氏は(去年8月22日の)電話協議で「6月の米朝首脳会談後、ミサイルは日本の上空を飛んでいるか?」などと成果を誇り、ノーベル賞推薦を首相に打診したという。首相は当日、山梨県鳴沢村の別荘で夕方まで過ごしていたが、電話協議のため急きょ帰京していた」(『毎日』)。

 安倍首相は18日の予算委員会で「ノーベル賞委員会は推薦者を50年明かさない」ととぼけた答えで質問をはぐらかしているが、本人も少しは恥ずかしいことと思っているのかな。そりゃそうだよ。「平和」と反対極にいるトランプ氏をあろうことか「平和賞」とは・・・。譬えがちょっと古くて恐縮だが、昭和天皇か東条英機に平和賞を授与するようなものだ。

 おれは去年の5月4日付の本ブログにこう記した。「おれとしてはトランプにノーベル平和賞をやるわけにはいかない。常識的には文在寅だけど、この際サプライズとして金正恩にしたらどうかと思うのだが、皆さんいかがですか」。
posted by マスコミ9条の会 at 21:21| Comment(0) | アメリカ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

現天皇は戦争責任ゼロなのか

戸塚章介さんのブログ「明日へのうた」より転載


労働運動は社会の米・野菜・肉だ。

2019年02月16日

現天皇は戦争責任ゼロなのか

 韓国の文喜相国会議長による日本軍慰安婦問題に関する「日本を代表する首相かあるいは天皇に一度おばあさんの手を握り謝罪してほしい」という趣旨の発言について、日本共産党志位和夫委員長は12日に行われた記者会見で次のような見解を述べた(14日付『赤旗』)。

 「私たちは、日本政府として、真剣な謝罪が必要だと繰り返し言ってきました。とくに(安倍)首相が自らの肉声できちんと謝罪しなればいけないということは、強く言いたいと思います。ただ、天皇は日本国憲法で『政治的権能を有しない』となっているわけですから、そういうことはできないということは当然だと思います」。

 概ねその通りだと思うが、後段の「政治的権能を有しない」のところはちょっと違和感を感じる。「政治的云々」の条項は憲法第四条のことだろうが、正確には「国政に関する権能」であり「政治的権能」一般を指してはいない。「国政」についてもいろいろ議論があるだろうが「政治的」よりは限定された言葉だと思う。「政治的」と「国政に関する」はもう少し厳密に分けて考えるべきではないか。

 例えば慰安婦の手を握って謝罪することが国政なのかどうか。天皇はこれまでもフィリッピンはじめ日本が戦争被害を与えた国に行ってそれなりに謝罪の言葉を述べている。こんどの「元慰安婦」への謝罪はもう少し重い意味があるが、それは程度問題なのではないか。「そういうことはできないということは当然」と言い切ってしまってそれでいいのか。

 さらに志位委員長は「前天皇は、私たちは、侵略戦争の最高責任者だと考えています」「しかし、現天皇は戦争責任ということは問題にならないと思っています。在任期間中にそういう問題についてかかわったことはありませんから」とも述べている。この認識も少しどうかと思う。

 確かに前天皇はどうしようもない戦争大好き人間だったと思うが、それが侵略戦争に結びつくのは天皇制という制度があったからだ。その天皇制がいまだに引き継がれている。現天皇の時代に戦争がなかったからといって「戦争責任ということは問題にならない」と言い切れるのか。少なくとも侵略を受けた側の中国や朝鮮、太平洋諸国の国民や政府はそうは思っていない。現天皇は平和主義者だから戦争責任はないなどという議論は日本国内でしか通用しないのではないか。

 韓国国会議長発言を契機に、天皇制そのものの議論をもう一度きちんとするべきだと思うのだがどうだろう。
posted by マスコミ9条の会 at 21:20| Comment(1) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月15日

天皇代替わりと元号問題

2019年2月15日
天皇代替わりと元号問題

梅田 正己(『日本ナショナリズムの歴史』著者・元編集者)


 天皇の代替わりをめぐってずっと気にかかっていることがある。用語の問題である。


 3年前、天皇が代替わりの意思を表明して以来、政府は一貫して「退位」と称してきた。メディアもそれに追随して「退位」と言ってきた。しかし天皇は「退位」とは言っていない。昨年12月の誕生日の記者会見でも、こう言っていた。


 「今年も暮れようとしており、来年春の私の譲位の日も近づいてきています」


 皇后もまた昨年10月の自分の誕生日の記者会見で「陛下は御譲位と共に」と「譲位」と言っていた。


 当の天皇、皇后は「譲位」と言っているのに、政府とメディアは「退位」と言い続けているのである。


 天皇家ないしは天皇制の歴史には「退位」という用語はない。8世紀の初め持統天皇が孫の文武天皇に譲位して以来、天皇は譲位して上皇となり、上皇と天皇とが並び立つのが天皇家の伝統だった。


 ところが政府はその伝統的な用語を使わずに「退位」という新語を使い、「生前退位」が何か異常・異例のことであるかのように思わせてきたのである。そしてメディアはそれに何の疑義も呈さずに追随してきた。


 なぜ、政府は「譲位」の語を避けたのか。このことは元号の問題とも重なる。
政府が「譲位」の語を忌避した理由は、それが「生前の」ということを前提にしているからである。天皇の代替わりは元号の変更を意味する。したがって「譲位」後は前代の天皇が存命しているのに新たな元号を使うことになる。それは「一世一元」の原則に反する、と政府は判断したのである。


 一世一元制とは、天皇一代につき一つの元号、つまり天皇が死去し新たな天皇が即位するとともに新たな元号を制定するという制度のことである。


 しかし伝統的な元号制では、元号は天皇の代替わりのほか、何かめでたいこと、また逆に不幸なことがあると変更された。実際、明治天皇の父の孝明天皇の在位20年間には、弘化から嘉永、安政、万延、文久、元治、慶応と6回も元号が変えられている。


 ところが維新後に生まれた新政府は、元号を慶応から明治に変えると同時に「一世一元制」と定めたのである。なぜか。


 天皇を政治的・精神的支柱とする近代天皇制国家を樹立するために、国民の意識下に、この国は「明治天皇の国」、いま生きているのは「明治天皇の御代(みよ)」であることを日常普段に染み込ませるためである。


 こうして明治天皇の時代は「明治時代」、明治天皇の死去と同時に「明治時代」は終わって「大正時代」となり、大正天皇の死去で「昭和時代」が始まるとなった。日本人の歴史意識は天皇の在位期間によって区分・規定されるようになったのである。


 そんなことはない、いまどき天皇の御代だなんて、と思われるだろうか。しかし現に、「平成時代」「平成30年」「平成の終わり」といった言葉がメディアには躍っている。1989年以降の30年は、明仁天皇のイメージとともに記憶されるのである。


 しかしグローバリズムの今日、日本国内のみの時代区分による時代認識、歴史認識が世界に通用するはずはない。


 明治27〜28年=日清戦争、明治37〜38年=日露戦争、この間が10年だったことは元号でもわかる。しかし日露戦争から大正3年の日本の第一次大戦参戦・青島占領まで何年だったかは元号で直ぐわかるだろうか。西暦では1905年から1914年で9年だったことが直ぐにわかる。


 韓国での三・一独立運動、中国での五・四運動は大正8年だった。今から何年前かは直ぐにはわからない。それが1919年だったことを知れば、今年が100周年に当たることは直ちにわかる。

 元号の使用は日本人の歴史認識を溶解する。今回の代替わりを機に、少なくとも公的文書における元号の強制的使用の廃止に向け、国民世論を高めていければ、と思う。
posted by マスコミ9条の会 at 20:18| Comment(0) | 文化 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

韓国国会議長の日韓和解提案に思う

戸塚章介さんのブログ「明日へのうた」より転載


労働運動は社会の米・野菜・肉だ。

2019年02月13日

韓国国会議長の日韓和解提案に思う

 韓国の文喜相(ムン・ヒサン)国会議長は7日、訪問先のアメリカで米ブルームバーグ通信のインタビューに応じて、日韓間で長年の懸案になっている従軍慰安婦問題の解決に関して「日本を代表する首相あるいは天皇が謝罪すればすべて収まる」という趣旨の見解を示した。

 「一言でいいのだ。日本を代表する首相かあるいは、私としては間もなく退位される天皇が望ましいと思う。その方は戦争犯罪の主犯の息子ではないか。そのような方が一度おばあさんの手を握り、本当に申し訳なかったと一言言えば、すっかり解消されるだろう」。

 この文議長発言に対して安倍晋三首相は12日の国会予算委員会で「本当にこれは驚いた。直ちに外交ルートを通じ、韓国側に対し今般の発言は甚だしく不適切な内容を含むものであり極めて遺憾であると、厳しく申し入れた」と述べた(13日付『毎日』)。河野太郎外相も「到底受け入れられない。極めて無礼な発言だ」と韓国側を批判した(同)。

 韓国政府は12日、「被害者の名誉や尊厳、心の傷を癒すためには、日本側が誠意ある姿勢を見せる必要があるとの点を強調する趣旨と理解している」と文発言を擁護。文議長も「日本の責任ある指導者が慰安婦のおばあさんたちに、心のこもった謝罪をすることが優先されるべきだ」と発言意図を維持した。

 『毎日』はこの問題で特に論評をしていないが、11日付外信面で堀山明子ソウル特派員は「日韓の和解を模索する中での発言とみられるが、天皇の政治利用を促しているとも受け取れる内容で、日韓双方で批判を招きそうだ」と述べている。おれには文議長提案が「天皇の政治利用」とは思えぬが・・・。

 安倍首相や河野外相が「極めて遺憾」「極めて無礼」といきり立つのは、推測するところ、韓国の国会議長ごときがあろうことか日本の天皇陛下に謝罪せよと要求するとは何たる狼藉、不敬極まるということだろう。日本国の沽券にかかわるというわけ?やはり隣国の韓国を対等の国と認めていないのだな。

 そもそも文議長は文在寅政権誕生直後の17年5月に、大統領特使として訪日した日韓関係のパイプ役だ。日本の事情もよく知った上での発言と受け取ってもいいのではないか。議長は「一言謝罪してもらいたいのは@首相、A天皇」と2人を名指している。@はからきしダメだがAは本人が承諾すると踏んでいるのではないかな。安倍さんよ、一度天皇にどうするか聞いてみたら・・・。
posted by マスコミ9条の会 at 20:13| Comment(0) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

このところ正恩氏はモテモテだが

戸塚章介さんのブログ「明日へのうた」より転載


労働運動は社会の米・野菜・肉だ。

2019年02月10日

このところ正恩氏はモテモテだが

 「事前に再度実務者協議」「ハノイで米朝再会議」(10日付『毎日』2面)「露、正恩氏と会談模索」「プーチン大統領 関係拡大狙う」(同7面)。このところ北朝鮮の金正恩さんは大国首脳からモテモテだ。ついこの前まで世界中からつま弾きされていたのがえらい変わりようである。

 つま弾き男からモテモテ男に変身するにはよほどの事情があったはず。確かに正恩さんの顔つきがだいぶ柔和になった気もするが、言ってることはそれほどの変わったとは思えない。大国側の事情の変化と見る方が正しいだろう。そこで毎日新聞の記事に沿ってプーチン大統領の思惑を探ってみた。

 「プーチン氏としては金委員長との関係を築き、中国も含めた友好関係をアピールする狙いがあるとみられる」。「(友好促進の背景には)ロシア国内で働く北朝鮮労働者の問題がある」「(安保理決議に基づいて北朝鮮労働者の雇用を減らしたが)ロシア国内の森林や農場、工場で勤務し貴重な労働力となってきたことから、本音では早期の制裁解除を望んでいるとみられる」。

 一方アメリカのトランプ大統領は今年年頭の一般教書演説で「金正恩委員長との会談前進」を活動成果の一番にあげ、世界の鼻つまみを手名付けた手腕を誇らしげにぶち上げた。「大胆な新しい外交の一環として、朝鮮半島の平和に向けた歴史的前進を続ける」「私が大統領になっていなければ、北朝鮮と戦争になっていたと思う」(7日付『毎日』)。ここまで言うかと思うほどの自画自賛である。外交、内政ともに糞詰まりのトランプ大統領が最後の突破口にしようとしている。それが見え見えなのだ。

 このように大国首脳が金正恩朝鮮労働党委員長に親しく接するのはそれぞれに思惑があってのことだ。ま、どんな思惑があろうと戦争より話し合いの方がいいに決まっている。だから正恩氏がトランプ氏ともプーチン氏とも膝を接して話し合うことはいいことに違いない。

 しかしトランプ氏が米朝会談で進めようとしている「朝鮮半島の非核化」はそう簡単に実現するとも思えない。第一自分では核兵器を持ち、核拡散防止条約から脱退しておいて「お前は核を捨てろ」と言っても説得力がない。つまりトランプ氏の思惑はいつ外れるか分からない。プーチン氏も自国の都合に合わせて正恩氏を手名付けようとしているだけだ。正恩氏のモテモテ状態は薄氷の危うさだとおれは思う。


 
posted by マスコミ9条の会 at 20:11| Comment(0) | 北朝鮮 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

労働組合の存在を思い知らせる春闘を

戸塚章介さんのブログ「明日へのうた」より転載


労働運動は社会の米・野菜・肉だ。

2019年02月08日

労働組合の存在を思い知らせる春闘を

 「働き方改革」「外国人労働者」「毎月勤労統計」。三つの共通項は「労働」。国造りに労働は欠かせないのだから、国会で論議されるのは誠に結構だと歓迎する。ただし論じられている内容はいかにも低い次元の話で、労働への感謝とか尊敬とかがまるで感じられない。特に政権側の姿勢が酷い。

 安倍晋三政権は労働の価値を故意に貶め軽んじている。労働に従事する労働者に対し、国籍を問わず冷酷無残な待遇しか考えていない。非正規労働者も外国人労働者も働くだけ働かせて使い捨て。そのくせ労働の成果は独り占めして労働者からかすめ取る。やらずぶったくりの魂胆丸出しなのだ。

 何故こんなことになってしまったのだろう。いろいろあるだろうが、労働組合運動の地盤沈下も原因の一つではなかろうか。早い話が今目の前に迫っている春闘だ。春闘を始めたのは労働組合だし、その主役は労働組合のはずだった。ところがここ数年「官製春闘」の名の通り政権側に主役を持っていかれている。

 「官製春闘お断り」の声が聞こえたと思ったら、発言したのは日本経団連の会長さんだった。「賃上げは労使交渉で決める。政府の口出しはいらない」。こんなセリフを財界側から言われているようではほんとに情けない。今度は財界に春闘の主役を持っていかれそうだ。労働組合の影は薄い。

 資本主義社会はきちんとしたチェック機能が働かないと暴走する。労働組合はマルクス・エンゲルスの時代から歴史的にチェック機能を果たしてきた。何故果たせたか。憲法28条に明記された「団体行動権」があったからだ。つまり労働組合の言うことを聞かなければストライキをするぞということだ。

 日本の労使関係からストライキという言葉が消えて久しい。1970年代から尻つぼみになって、総評解体・連合結成の1989年で絶滅品種になってしまった。今でも個人加盟組合や地域ユニオンがしこしこと資本の横暴に対抗している。しかし、社会を揺るがすような交通ストや工場ストは望むべくもない。

 去年の国会で論じられた「働き方改革」「外国人労働者」、今年に入って大問題になっている「毎月勤労統計」。どれをとっても「労働」の価値に対する軽視が著しい。労働が尊重されない社会は進歩がない。それを支配層に思い知らせることができるのは労働組合しかない。19年春闘で労働組合の底力と労働者のど根性を示そうではないか。


 
posted by マスコミ9条の会 at 20:09| Comment(0) | 労働運動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月07日

官邸の言論規制に断固抗議の新聞労連がんばれ

戸塚章介さんのブログ「明日へのうた」より転載


労働運動は社会の米・野菜・肉だ。

2019年02月06日

官邸の言論規制に断固抗議の新聞労連がんばれ

 NHKで安倍首相の記者会見を視聴したことがある。あまりの迫力のなさに愕然とした。記者の質問は新聞記事にすれば一行で済むような紋切り型。答える首相は官僚がつくったであろう原稿を読むだけ。質問者以外は下を向いてノートパソコンのキーを叩いている。空虚な時間の流れだ。

 そんな記者会見の中で、官房長官会見だけは迫力と緊張感に溢れているとのこと。東京新聞の望月衣塑子記者ががんばっているからだ。おれにはこれが普通の記者の姿だと思えるが、今や彼女は突飛な記者らしい。菅義偉官房長官は嫌悪を露わにし、司会の上村秀紀報道室長は「簡潔に」を連呼し質問を妨害する。

 昨年8月、東京新聞政治部・官邸キャップに対し、上村室長名で「質問は正式決定・発表前の内容に言及したもので誠に遺憾である。貴社に対して再発防止の徹底を強く要請する」旨の抗議書を突きつけた。さらに年末の18年12月28日、今度は内閣記者会宛に同趣旨の申し入れを行っていたというのだ。

 この官房報道室長の「申し入れ」について新聞労連が2月5日、「首相官邸の質問制限に抗議する」という南彰執行委員長名の声明を発表した。声明は「官邸の意に沿わない質問の権利を制限し、国民の『知る権利』を狭めるもので、決して容認することはできません」と強く抗議の意思を示している。

 そもそも官邸が質問内容を「事実誤認」と騒ぎ立て、「正確な事実を踏まえた質問」を要求すること自体がちゃんちゃらおかしい、とおれは思う。辺野古のサンゴ移設問題やその他諸々の嘘を並べ立てる安倍首相はどうなんだ。平気で虚偽・隠蔽された資料を作る官僚機構をまずやり玉にあげたらどうだ。

 「2017年5月17日の記者会見で、『総理のご意向』などと書かれた文部科学省の文書」を「怪文書のようなものだ」と否定した菅官房長官こそ「内外の幅広い層に誤った事実認識を拡散させる」行為の張本人ではないか。「日本政府の国際的信用を失墜させるものです」と声明は鋭く指摘する。

 新聞労連の声明は最後に「日本の中枢である首相官邸の、事実をねじ曲げ、記者を選別する記者会見の対応が、悪しき前例として日本各地に広まることも危惧しています。首相官邸はただちに不公正な記者会見のあり方を改めるよう、強く求めます」と結んでいる。その通りだと思う。
posted by マスコミ9条の会 at 21:14| Comment(0) | 労働運動 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月31日

元「慰安婦」キム・ボクトンさんの生涯

戸塚章介さんのブログ「明日へのうた」より転載


労働運動は社会の米・野菜・肉だ。

2019年01月31日

元「慰安婦」キム・ボクトンさんの生涯

 1月28日、「慰安婦」被害を証言した金福童(キム・ボクトン)さんが93歳で亡くなった。30日付の『ハンギョレ新聞』に「戦時性暴力生存者であり平和活動家であったキム・ボクトンさんの人生」と題してかなり長い文章が載っている。凄まじい一生だ。おれ流に要約してみた。

 キムさんは1926年、慶尚南道梁山で生まれた。41年のある日、黄色い服を着た日本人に「軍服をつくる工場で3年だけ働け。応じなければ家族は追放、財産も奪う」と脅された。15歳のキムさんは「母さん、私が行くよ」と承知。台湾経由で中国広東の日本軍部隊に連れて行かれた。

 そこで朝から夜まで性奴隷の生活を強いられる。場所も日本軍の移動に従って香港、マレーシア、スマトラ、インドネシア、ジャワ、バンコク、シンガポールと8年間転々。キムさんは23歳で解放され、故郷の母親のもとに帰った(8年間というと計算上49年ということになり、4年前に戦争は終わっていたはず。その辺の事情はこの記事では分からない)。結婚もできず、釜山で商売しながら生きてきた。

 92年、66歳のキムさんは自分が「日本軍慰安婦」だったことを公表し、「自分のような戦時性暴力被害者が二度と生まれないように」と訴えた。初めは「慰安婦だったと宣伝しているに過ぎない」などと冷たい視線にさらされたが、次第に国際社会に関心が広がり、キムさんは平和運動家として成長を遂げる。毎週水曜日に日本大使館前で行われている「名誉と人権を回復する」ための行動の先頭に立った。

 2015年、89歳のキムさんはこつこつ貯めた5000万ウォンを「ナビ基金」に寄付。「ナビ基金」はこの金で、紛争地域の被害児童支援と平和活動家の養成を目的とした「キムボクトン奨学基金」を設立した。去年、92歳の高齢をおして「和解・癒し財団」の解散を求める1人デモを敢行した。

 生前キムさんはこんなことを言ったという。「いや、私が死んだら、火葬して、さらさらと撒いてくれといったんだ。面倒を見る人もいないのに、墓を作る必要はない。それであの山にひらひらと・・・水に撒くと水の霊になるというから、山に撒いてもらって、蝶になって世界中を飛び回りたいな(笑い)」。
キムさんは今、どの空を飛んでいるのだろう。とハンギョレ新聞は記事を締める。

 2月2日から2泊3日で孫たちと八ヶ岳の麓で雪遊びしてくる。
posted by マスコミ9条の会 at 21:17| Comment(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ゴーン逮捕の裏に「藪」があるのではないか 

戸塚章介さんのブログ「明日へのうた」より転載


労働運動は社会の米・野菜・肉だ。

2019年01月29日

ゴーン逮捕の裏に「藪」があるのではないか 

 『赤旗』が「資本主義の病巣」「日本をカットした日産」のタイトルでゴーン体制下の日産経営について問題点を抉り出している。1月25日付は第8回。「『空洞化の号砲』鳴らす」「最大拠点は中国」「部品も海外生産」。日産が利益第一主義で日本経済の屋台骨を海外流失させているという。

 「2010年、日産の小型車マーチの生産が国内から消えました。タイに拠点を移したためです」「日産の国内生産台数は1983年度に247万台でした。それが2017年度には99万台にまで落ち込みました。6割もの激減です」。この間、国内従業員を2割も減らしているというのだ。

 ゴーン流の海外への生産流出は最初がアメリカで、「生産の主力だった村山工場を閉鎖する一方、米国で新工場の建設を進めたのです」。その後海外への拠点として急伸しているのが中国。「中国での日産の生産台数は17年に118万台。日本を抜いて日産最大の生産拠点に躍り出ています」。

 今や日産経営は中国抜きには考えられなくなっている。「研究開発拠点も中国に移しつつあります。提携する中国企業に電気自動車(EV)の技術を移転。合弁会社を設立して共同開発を行っています」。EVと言えば、これからの自動車産業の中核をなす部門だ。それを中国との共同事業にする考えだ。

 『赤旗』記事はここまでで、これ以後はおれの推測・推論になる。こんなに中国と一体になってきた日産、中国側にしても今後の自動車産業の発展は国の経済運営の柱にもなる話だ。当然力を入れる。そこで問題になるのが米中経済戦争だ。アメリカにとって日産と中国の蜜月関係はすこぶる剣呑な話になる。日産ゴーンの肩入れで中国の経済力が強くなることはトランプにしては我慢がならない。

 去年の秋に日米経済会談が行われている。そこでこの日産ゴーンによる中国経済へのテコ入れが問題になった可能性はなくはないだろう。「お前の責任でなんとかしろ」とトランプに言われたわが安倍首相が「へい分かりました」と丸呑みする。その一か月後のゴーン逮捕と全く無関係なのだろうか。

 ゴーンの拘留は国際的批判を浴びながらも長期にわたっている。「派遣切り」「村山工場閉鎖」「日本カット」の張本人、ゴーンなにがしに同情する義理はないが、経営の神様から極悪犯罪人に落とした裏には表面だけでは分からない「藪」があるのではないか。おれの妄想ならいいのだが。
posted by マスコミ9条の会 at 21:15| Comment(0) | 自動車 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

マスコミ9条の会ブログ

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。